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ガレも愛したー清朝皇帝のガラス展 [美術]

サントリー美術館
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2018_2/index.html

清朝ガラス.jpg

中国、清朝時代にガラスが盛んに作られていたなんて知らなかった。紫禁城内に工房が作られ、官製のガラスが多く作られたという。それも実用と言うよりは、装飾用。とてもデコラティブでこれでもかというくらい凝っている。
種類も半透明の色ガラスから、不透明ガラス、何色も使った色合わせガラス、エナメル彩色などなど。ある意味、陶磁器よりもカラフルで装飾過多なものも多かったのではないか。

アールヌーボーのエミール・ガレがこういった清朝ガラスに影響を受けたというのは大きくうなずけること。実際、キャプションを見なかったら、「これはガレの作品?」と思うようなものもたくさんあった。
この展覧会では、ガレが博覧会などで見た可能性のある作品や、ガレ自身の作品も展示してその関係性も見せてくれた。ガレが中国のガラスに学んだとは全く知らなかったので驚きだった。
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宋磁展 [美術]

出光美術館
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中国の宋時代の陶磁器を集めた展覧会。
色絵もあるが、中心は青磁、白磁など単色の釉薬を使った美しいフォルムのもの。シンプルで洗練された形、繊細な彫りなどが優美。

日本の焼き物と比べるに、中国の陶磁器は完璧な形を最上とするように思える。左右対象形、完全円などで、日本の焼き物のような歪みや偶然がもたらす釉薬のたまり、などのものは多分失敗作として破棄されたんだろう。今回展示されたのもどれもそういう「完全なる美」のものばかり。確かに美しいけど、ちょっとつまんない、なんて思ったりもした。

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白磁長頸瓶
シンプルの極み。余計なものをそぎ落として、うっとりするくらい美しい。

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白磁錆花牡丹唐草文瓶
色は地味だが掻き落としによる模様が大ぶりで美しい。

参考出品として朝鮮陶磁の象嵌青磁の壺があったのが嬉しかった。象嵌青磁、大好きなんですよね。
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大名茶人 松平不昧展 [美術]

三井記念美術館

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松江藩主松平不昧は茶人として知られ、茶道具の収集家としても一流の審美眼を持っていたことで知られる。その没後200年を記念しての展覧会。
古くからの名器を収集するだけでなく、自らの好みの器や道具を同時代の職人に作らせた。

月並みな言葉だが、とにかく趣味が良い。
中国の天目茶碗、室町時代の赤楽茶碗などの品の良い名器は言うに及ばず、蒔絵の名人原羊遊斎に作らせた道具類もゴテゴテしないすっきりしたデザインで美しかった。
書や絵も一流で、江戸時代の大名の文化的水準の高さもうかがえた。

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「菊蒔絵大棗」 原羊遊斎 作 文化14年(1817)
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「名作誕生-つながる日本美術」展 [美術]

東京国立博物館
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1889#

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名作と言われる作品はどれも突然生まれたのではなく、先行作があってその影響を受けて誕生したのだ、と言うコンセプトで様々な作品の系譜を見せてくれた展覧会。

例えば仏像。中国から伝来した仏像がまずあって、それに倣って作られた国産の仏像が次第に広がっていく。

例えば雪舟。自ら明に渡り彼の地の絵画を吸収。

例えば若冲。あの奇想の画家と呼ばれる若冲もいきなり若冲になったわけでなく、中国の宋元画を模写して学んだ。

美術作品同士の繋がり以外にも、源氏物語や伊勢物語から生まれた作品の数々。
また、江戸時代初期の風俗画から師宣の見返り美人への系譜。
北斎の風景画から岸田劉生へ、そして最後に中国の寒山拾得から劉生の麗子像へと言う思いがけない繋がりで締めくくる。

若冲と、等伯の松林図が目当てで行ったけど、第一室の仏像群に心奪われ、その後もどれも素晴らしい作品ばかりで、結局前後期両方見に行った。
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東西美人画の名作 《序の舞》への系譜 [美術]

東京藝大美術館
http://bijinga2018.jp/index.html
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松園の「序の舞」修復記念の展覧会。
古くは江戸初期の風俗画から、浮世絵の美人画、明治以降では東は鏑木清方ら、西は北野恒富、甲斐庄楠音らの美人画を並べ、最後に松園を数点。

松園の「序の舞」は個人的には松園でいちばん好きな絵というわけではない。今回も展示されていた「母子」なんかの方が柔らかくて好きだな、とは思う。
ともかく、いろんな美人画が見られてとても楽しかった。
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横山大観展 [美術]

このところ忙しかったり体調悪かったりで全然記事が書けず。
備忘録代わりに、行ったものだけコメント最小限でアップしていきます。m(_ _)m

東京国立近代美術館
http://taikan2018.exhn.jp/
yokayama_taikan.jpg
今年は大観生誕150年記念ということで、少し前に山種美術館でも展覧会があった。数年前には横浜で、そのまた前には国立新美術館で大規模な回顧展があって、割としょっちゅう大観は見ている気がする。

見るたびに言ってる気がするが、大観って捉えどころがない。アイコンとも言える富士の絵の他は、これぞ大観という特徴がつかめない。つまりそれくらいいろんな作品を描いてると言うこと。
今回目玉とされている「生々流転」と、「夜桜」「紅葉」にしても一方は水墨画、一方は豪華絢爛な彩色画と、全く違う。

「生々流転」の全巻展示は前にも見たが、物語を見るようで楽しい。「夜桜」と「紅葉」を同時に観られたのも嬉しかった。
富士の絵もたくさんあって見応えあったが、実はちょっと剽軽な感じさえする人物の絵が好き。「焚火」とか。


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百花繚乱列島展 [美術]

千葉市美術館

江戸諸国絵師めぐりと言うサブタイトル通り、江戸時代京や江戸以外の地方で活躍した絵師を取り上げた展覧会。当然ながら、大半が名前も知らない絵師だが、日本全国の文化水準の高さもうかがえる。

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菅井梅関 梅月図
梅関は仙台の画家。名の通り、梅の絵を得意とした。大胆で雄渾な幹に清楚な白梅が月夜に浮かぶ。香りが漂ってきそうだ。

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山本梅逸 花卉草虫図
梅逸は名古屋出身の画家で京で活躍。この華麗なこと。もっと名が知られても良いと思った。

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片山楊谷 猛虎図
楊谷は鳥取。因幡画壇などというものもあったらしい。

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増山雪斎「孔雀図」
雪斎は伊勢長島藩主。お殿様のお遊びなんてとんでもない、この本格的な腕前。
他に秋田藩主佐竹曙山の秋田蘭画も。
そういえば酒井抱一は大名家の出身で、その父母の絵も見たことあるがレベルは高かった。江戸時代の大名のたしなみの一環だったんだろうが、本格的。

もちろん、司馬江漢、谷文晁、酒井抱一、さらには応挙や中村芳中と言った有名画家の絵もあり、また画家同士の交流もキャプションにて説明があり、徒歩しか旅行手段がなかった時代にも、地方から京や江戸へ、また反対に地方に下る絵師もいたことがわかり驚いた。
そういえば、前記事の池大雅も京から東北まで旅をしていた。
展示替えが多く、一度しか行けなかったのが残念なほど見応えのある展覧会だった。


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江戸の戯画展 [美術]

大阪市立美術館

今の漫画のルーツともされる戯画。鳥羽絵と呼ばれる初期の戯画から、国芳、北斎、暁斎ら人気画家のユーモア溢れる絵を展示。

中でも今回初めてまとめて観たのが耳鳥斎(にちょうさい)。生没年不詳ながら18世紀後半、大坂で活動した絵師。なんとも脱力系の絵で、ユーモアのセンスが抜群。
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耳鳥斎 地獄図絵巻 
かわうをやの地獄。川魚屋が地獄で生前自分が魚にしたように包丁でさばかれ、串に刺されて焼かれる。なんともシュールでとぼけた味わい。

北斎は、おなじみの「北斎漫画」の他にも戯画風の作品。
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北斎「鳥羽絵集会 お稽古」
人の顔がもう漫画そのもの。

最近すっかり人気者の国芳。この展覧会でも大人気。特に金魚づくしシリーズ全9点が展示が呼び物。
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国芳 「金魚づくし 百ものがたり」
国芳は猫の絵もあって、本当に人気。

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暁斎「暁斎漫画」
こちらは猫。暁斎は他に蛙シリーズとか。

中には解説がないと何が可笑しいのかわからないものもあるが、ほとんどは見るだけで今でも面白く楽しい。

ただ、凄い混雑で、あまりゆっくり見られなかったのは残念。市立美術館は改装でもしてるのか、二階の半分しかこの展覧会に使ってなくて、狭い上に小さい絵が多いから渋滞も甚だしかった。疲れたわ。
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池大雅展 [美術]

京都国立博物館
http://www.kyohaku.go.jp/jp/special/tenrankai/taiga2018.html#anchor_displayitems

GWの帰省中に行ってきた。
京博は巡回展のない展覧会をよくやっていて、これもそう。もったいないな、東京でもやってほしい、と毎回思う。

池大雅(1723~76)は江戸時代中期、京で活躍した文人画家。なのだが、実は書家としても超一流なのを今回初めて知った。むしろ、はじめは書を習って神童と呼ばれたという。12歳の時の書が展示されていたが、あまりに大人びた(むしろ老成?)した字に唖然。

早くに父を亡くし、10代から扇屋を営む。中国から入ってきた絵などを見て扇に絵を描いていたというから、絵は自己流。とはいえ、多くの人と交流を持ち、旅をし、絵を描き続けた。その人生をほぼ網羅、キャプションで交友関係も知ることができる。

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渭城柳色図(1744)
21歳の作だから、かなり若いとき。素朴で瑞々しい感じ。

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四季歌賛(4幅のうち)(制作年不明)
自賛の画。書も自由闊達。

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国宝 楼閣山水図屏風(右隻)(制作年不明)
20~30代に掛けて東北地方まで足を伸ばし、各地を旅した大雅は各地で風景画をものしている。それが土台となって後年の画業を支えている。

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五百羅漢図のうち
風景画にも小さく人物が描かれているのがあるが、これは珍しい人物ばかり(羅漢を人と言って良いかは置いておいて)。上手いというより、楽しい。

実を言うと、文人画というのがいまいちピンとこなくて、極端だが、素人の手慰みみたいな気もするのだが、そのある種の素人っぽさが残るところも魅力なのかも、なんて偉そうに思ってしまった。同じ京の画家でも若冲や応挙などのまさしく「玄人」の絵とは違う、風通しの良さやどこかほんのりと感じる優しさなども池大雅の良さのように感じた。
穏やかな人柄で、弟子たちからも敬愛されたという大雅。人柄も絵に出ているような気がする。

大雅の妻徳山玉瀾も画家として知られ、共作の絵も展示されていて、仲睦まじかったという夫婦の様子が偲ばれる。


この展覧会、とにかく質もさることながら量も凄い。新館の3フロアほとんど使った贅沢な展示。こんな規模の大雅展はもう当分なさそうだから、文人画に興味ある人はお見逃しなく。


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プーシキン美術館展 [美術]

東京都美術館
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http://pushkin2018.jp/

近代フランス絵画の宝庫プーシキン美術館から、風景画に的を絞っての展覧会。


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クロード・ロラン
《エウロペの掠奪》1655年
風景画は宗教画や神話世界の絵の背景から始まった。その名残を色濃く見せながら、古代の理想郷のような風景を描いたロラン。

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カミーユ・コロー
《夕暮れ》1892年以前
バルビゾン派を代表するコロー、実際の風景ではなく思い出の中の景色を絵にしたもの。豊かな緑がもやのようにけぶるコローらしい色合いの一枚。

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クロード・モネ
《草上の昼食》 1866年
風景画というより風俗画といった方が良いような気がするが、モネの若い頃の作品。スキャンダルとなったマネの同じタイトルの絵に影響を受けているのは確実。舞台はバルビゾンの近く。木漏れ日を受ける緑の濃淡に後の印象派の予兆が感じられる。

景色は森や田舎から、パリなどの都市の風景へ。さらに海外へと広がり、ついには想像上の景色が描かれる。
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ピエール・カリエ=ベルーズ
《パリのピガール広場》 1880-90年代頃
街を行く人々が生き生きと描かれ、ガス灯が登場する。風景に時代が見える。

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アンリ・ルソー
《馬を襲うジャガー》 1910年
実は一生フランスから出たことがなかったルソーは植物園に通って草木をスケッチしたとか。現実にはない情景が奇妙なリアリティを持って、物語を語る面白さ。

風景とひとことに言っても様々。古代世界から幻想世界まで、現地に行って見てみたいところ、行けないところ、どれも素敵で楽しい展覧会。
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