So-net無料ブログ作成
検索選択
前の10件 | -

鈴木其一展 [美術]

サントリー美術館
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_4/index.html

江戸琳派を代表する酒井抱一の弟子であり、さらに開花させた其一(1796-1858)の回顧展。
これまで琳派展、抱一展の中で多く観てきたが、其一が主役の展覧会はそういえば初めてかも。
今までは実を言うと、抱一に比べるとやっぱり弟子よね~、なんて失礼なことを思っていたが、今回まとまって観ると、師を踏襲しながらももっとデザイン性に富んだ新たな江戸琳派の世界を開拓したのだと感じることができた。

1a.JPG
藤花図
こういうのを観ると抱一の系統だな、と思うが抱一はもう少し写実の中の優雅さ。其一は何というか「デザイン」の面白さ。

2a.JPG
水辺家鴨図屏風
普通屏風に描く鳥と言えば鶴とか鷺とか華やかなのが多いが、これは鴨。気取った様子もない鴨の群れを金箔地に描く不釣り合いの面白さ可笑しさ。表情も剽軽で可愛い。

3a.JPG
朝顔図屏風
これはもう見事に光琳の燕子花図の本歌取り。金箔に紺と緑のみの潔さ。幾何学的とさえ思える光琳の花の並べ方に比べると、ずっと自由で動的なのが違う。

早くから師に認められ、師の没後は一派を率いる立場となり、晩年まで存分に腕を振るった豊かな画業。
他の展覧会で見た絵も多く、初見は思ったより少なかったが十分に楽しめる。
nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

東洋・日本陶磁の至宝展 [舞台]

出光美術館
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html

index_ph005.jpg

このところちょっと焼き物付いている。この日は出光美術館へ。
開館50周年記念展の一環で、コレクションの中から陶磁器の名品を集めている。

まず入り口入ってすぐにど~んと置かれた仁清と中国の壺に目を見張る(チラシの2点など)。仁清の色絵の鮮やかさ、中国の青花の品格ある堂々とした美しさ。
突端にいちばん良いのを持ってきて度肝を抜く。やるな出光。

その後はカテゴリー毎に順番に。東洋と言いながら朝鮮が少ないのはコレクターの趣味だろうか。朝鮮陶磁好きな私としては、ちょっと物足りない。

中国陶磁では唐三彩から景徳鎮の名品など。一口で言っても2万年以上(!)という中国陶磁の歴史を少ない展示で見るのは無理があるが、唐三彩のユニークさ、景徳鎮の官窯らしい権威を感じる立派さ、と様々。

1a.JPG
青花紅彩龍文瓶 一対
景徳鎮窯
中国 清「大清乾隆年製」銘
宮廷を飾るに相応しい豪華さ。技術の緻密さ、柄の華やかさ美しさ。堂々たる王朝の官窯の自負が感じられるようで圧巻。

たいして日本は繊細。鍋島のような藩窯はあるが、献上品より茶の湯に用いられたような逸品ものが美しい。ここでも古九谷から古唐津、乾山らの京焼、志野、織部。。。そしてもちろん伊万里。伊万里は輸出用も多く作られて、日本には珍しい金襴手が豪華。

2a.JPG
色絵菊文大皿
古九谷 江戸時代前期
直径50センチ近い大皿。九谷らしい色使いが美しく、これだけの大皿ながら品が良い。

茶道具の章にも名品がずらり。
私には井戸茶碗や三島のようなものの良さはまだよくわからない。名品って言うんだから良いんだろうな、くらい(苦笑)。同じく楽茶碗もわからないが、わからないなりに楽は良いなと思う。特に黒の底光りするようなのは。

3a.JPG
黒楽茶碗 銘 此花
道入(ノンコウ)
江戸時代前期
楽家三代ノンコウの作。中央の釉薬を掛け残して白く浮いたところを梅の花に見立てた銘。黒いのに、何故か清らかさを感じる。

そして展示の最後は明治から昭和にかけて活躍した板谷波山。以前はじめて波山の器を出光で見た時は驚いた。こんな焼き物があるのか、と。ほぼ同時期の河井寛次郎らとは対称的とも思える技巧を凝らした作品。

こういう名品を次々に見ると、わからないなりに器って良いなあ、としみじみ思う。そしてその一方で、こういうののコレクターは始めたら引き返せないんだろうなあ、とも思う。無縁でよかった、なんてね。

焼き物好きには必見。興味ない人も一度観ておいて損はない。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

河井寬次郎と棟方志功展 [美術]

千葉市立美術館

最終日に駆け込みで。

柳宗悦の民藝運動に大きく寄与した二人を取り上げた展覧会。
ものすごく正直に言うと、民藝運動というのはあまりピンと来ないというか、関心ないというか。日本民芸館にも行ったことはない。なので、民藝運動とは切り離して、作品だけを素直に見ていった。

寛次郎の陶器は前にも展覧会で見ている。とてもたくさんの、いろんなタイプのものを作っているのが面白い。こういうところが代々の作風を受け継がなければならない陶芸の家の人にはできないところかも。

0706_5.jpg
河井寛次郎《鉛釉象嵌大皿》
1930(昭和5)年

0706_2.jpg
河井寛次郎《三色打薬扁壷》
1963(昭和38)年
30年隔たってるとは言え、同じ人の作とは思えない。

一方、棟方志功の作品は、一見してそうだとすぐわかる。若い頃から晩年まで何か一貫したものが感じられる。
0706_8.jpg
棟方志功《大和し美し 下巻》より「倭建命(やまとたけるのみこと)」 
1936(昭和11)年

0706_9.jpg
棟方志功《鬼門譜板畫譜》より「眞黒童女」 
1937(昭和12)年 
二点とも連作の中の1枚。実際の展示ではずらっと一緒に張り出してみられるので圧巻。特に「大和し美し」は詞章も絵と一体になっていて、全然違うけどまるで光悦と宗達の和歌の書みたいな。
志功の描く人物は皆純粋さを感じさせる。それが鬼のような「悪者」であっても、どこか愛すべきものに見える。それが高ずると、仏様たちは皆どれも美しくてさらにエロスさえ感じさせる。

今度は志功の作品をもっとたっぷり見たいな。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

「朝鮮時代の水滴」展 [美術]

大阪市立東洋陶磁美術館
http://www.moco.or.jp/exhibition/current/?e=378
a.JPG

こちらも夏休み中に。
常設展示も素晴らしいところだが、時間が無くて特別展示だけ駆け足で見てきた。
朝鮮時代の水滴。水滴とは硯に水を注ぐ道具だが、朝鮮では特に18世紀から19世紀にかけて文人趣味の流行と共に、水滴も趣味のものとして様々な意匠のものが作られるようになった。

5a.JPG
青花草花文長方形水滴
シンプルな長方形にあっさりとした草花が描かれた品の良い品。

1a.JPG
鉄砂草葉文宝珠形水滴
似たような形のものがいくつかあった。青花も綺麗だが鉄砂も味があって良い。

3a.JPG
青花虎形水滴
これは可愛い。口が注ぎ口になってるみたい。

2a.JPG
総辰砂柿形水滴
柿を模した色形に葉がぺたりと付いている。

4a.JPG
青花透彫神獣文水滴
見事な透かし彫りの逸品。とても実用品とは思えない。

机の上に置くものだから、数センチからせいぜい10数センチの大きさ。中にはどこから水を出し入れするのだろうと思うようなものも。そんな手のひらに乗るものに宿る小宇宙の美しさを愛でる気持ちが尊い。
もっと時間を掛けてじっくり見たかったな~。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

デトロイト美術館展 [美術]

大阪市立美術館
http://www.detroit2016.com/index.html
夏休みの帰省中に足を運んだ展覧会。東京へは秋に巡回。

アメリカのデトロイトと言えば車産業で有名な都市。その市立美術館で、コレクションはアメリカ有数だそうだが、正直これまで聞いたことはなかった。おそらく初の日本での展覧会。コレクションの中から印象派以降のヨーロッパ美術に絞った展示。

第1章は印象派。ここがいちばん充実していた。モネ、ドガ、ルノワール、、、といった人気画家の絵が揃う。

1a.JPG
モネ「グラジオラス」
明るい日射し、鮮やかな色とりどりの花。こういう絵を見ると、印象派ってやっぱり良いなあと素直に思う。

第2章はポスト印象派。ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌなどこちらも揃う。

2a.JPG
セザンヌ「セント・ヴィクトワール山」
幾つもヴァリエーションがあるうちの1枚。比較的色数の少ない、明るい中にも静かな感じ。ある意味大きな点描とも言えそうな、四角い色の塊をポンポンと置いていったような斬新な描き方。色の塊のつながりがちゃんと木に見え山に見える。

第3章は比較的珍しいドイツ絵画。ドイツ人が館長だった時代に充実した部門とか。ココシュカ、カンジンスキー(正確にはドイツ人じゃないけど)など。うん、このコーナーはちょっと人気なさそうだった。面白い絵もあったけど。

3a.JPG
ココシュカ「エルベ川、ドレスデン近郊」(1921年頃)
色使いは、まるでフォーヴのように鮮やかだがどこか暗い印象がある不思議な絵。と言うか、20世紀ドイツ絵画は全般に重苦しい感じがする、のはこちらの先入観かしらね。

第4章、最後は20世紀フランス絵画。マティス、ピカソ、モジリアーニ。。。こうしてみると、19~20世紀、美術の中心がフランスだったのは間違いない。

4a.JPG
モディリアーニ「女の肖像」
どこか寂しげな表情に見えるのはアーモンド形の瞳のせいか。モディリアーニの絵ってどれもよく似ていてそこはかとない不安を誘う。

あまりあれもこれもでなく、19~20世紀に絞ってあるので見やすい。
夏休み中で、私が行った日は特別に写真撮影可能で皆さん撮っていた。私は、撮ってもしょうがないな~、と思って撮らなかったけど。

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

怖い浮世絵展 [美術]

太田記念美術館
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/2016-kowai-ukiyoe

夏は妖怪だの幽霊だのを扱った展覧会が多いが、これもその一つ。
浮世絵の、妖怪、化け物、幽霊、それらが出てくる芝居絵、などを集めたもの。

2a.JPG
歌川国貞(三代豊国) 「見立三十六歌撰之内 藤原敏行朝臣 累の亡魂」
まずは幽霊。歌舞伎でもお馴染み、累。一瞬お岩さんかと思ったけど。祟りによって顔が変貌してしまった累。でも怖いより、ちょっと可笑しさも感じる。だいたい、浮世絵の幽霊や妖怪って、あんまり怖くない。

4a.JPG
歌川国貞(三代豊国)『東駅いろは日記』(三枚続)
こちらは妖怪。これもよく見る化け猫。このサイズで出てきたら怖いよな~。でもやっぱりユーモラス。

化け物妖怪のような想像上のものより、むしろ怖いのは人間。と言うのを描いたのが芳年らの血みどろ絵。

a.JPG
月岡芳年「魁題百撰相 冷泉判官隆豊」
グロテスクというか、残虐性が強いがこういうのがはやった時代というのは何だったんだろうね。

3a.JPG
月岡芳年「西郷隆盛霊幽冥奉書」
これは血みどろ絵ではないが、西郷隆盛が死んだ後で描かれた絵で、建白書を差し出す西郷の顔は笑っているのか泣いているのか判然としない。実在の人物だけに、空恐ろしさがある。こんなの描いて、明治政府から睨まれなかったのだろうか。

江戸博の大妖怪展よりこちらの方が私は満足度が高かった。浮世絵にポイントが絞られてるからではあるけど。会期末近いがおすすめです。
nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

音の会 [舞台]

8月12日(金) 国立劇場小劇場

国立劇場歌舞伎音楽既成者研修発表会。
役者さんの研修所とは別に、長唄や義太夫など、文字通り古典芸能の「音」を担う人たちの研修所出身者の人たちの発表会。

長唄「舌出し三番叟」(しただしさんばそう)
巳勇次 巳志郞、巳佐、巳千雄

鳴物・長唄「寒行雪姿見-まかしょ-」(かんぎょうゆきのすがたみ)
傳三郎、傳四郎、佐吉郎、傳吉、佐次郎

長唄「鞘当」(さやあて)
三五郎、三之助、里松、和樹

前半は演奏だけ。邦楽を批評できる耳はないので申し訳ないが、踊りの伴奏と違って演奏だけを聴くとそれだけ粗も見え(聞こえ)る緊張感がある。先輩方の助演も仰ぎながら一生懸命演奏する姿を応援。

歌舞伎「摂州合邦辻」(せっしゅうがっぽうがつじ) 一幕
     合邦庵室の場
竹本:翔太夫、翔也、蔵太夫、繁二
鴈乃助の玉手、京蔵の俊徳丸、京妙の浅香姫、新蔵の合邦、由蔵のおとく、京純の奴入平

目当てはこの一幕。ヴェテランのお弟子さん役者たちが出ての義太夫狂言。
義太夫では翔太夫、翔也が伸び盛りを感じさせ、力強さもあって健闘。歌舞伎の竹本は、文楽以上に人手不足なので、本当に頑張ってほしい。

鴈乃助さんの玉手が素敵だった。綺麗だし、情も濃くて。もともと声の良い人でそれが義太夫の糸にちゃんと乗った台詞を聞かせてくれたのも良かった。浅香姫に「蹴殺すぞ」という気迫も、述懐の中で自分の血で俊徳丸を治せると知った「その嬉しさ」という表情の気高さも、藤十郎のをよく写してるなあと感心。

京蔵の珍しい立ち役俊徳丸がすっきり男前。
京妙浅香姫のかわゆらしいこと。
驚いたのが由蔵おとくで、話し方が宗之助そっくり。紀伊国屋の型なのか宗十郎をよく覚えてないけどじわじわきた。
新蔵の合邦も難しい老け役を手堅く務めていた。

普段脇役を務める実力派の役者さんたちが、芯を勤める貴重な機会。さすがに大幹部の華はないのだが、きっちりと水準の高い舞台に仕上がっていた。もっと皆さん活躍してほしいわ。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

翔之會 [舞台]

8月8日(月) 
国立能楽堂

今年で三回目。富十郎さんの長男鷹之資と長女の愛子の勉強会。

一、仕舞 杜若     中村鷹之資

一、長唄 汐汲  立方 渡邊愛 子

一、長唄 助六  立方 中村鷹之資

昨年は女形舞踊の「藤娘」に挑戦したが、今回は全て拵えなしの素踊り。
仕舞の「杜若」についてプログラムで鷹之資君は「お仕舞いで初めて女を勤めます(中略)今回の経験が、いずれ「船弁慶」の静をする時にとても重要になると信じて勤めます」。船弁慶と言えば、お父様の当たり役の一つ。いずれは勤めなくてはいけない演目。そういうことをちゃんと意識してやっているのが頼もしい。

お仕舞いでは謡も披露、昨年も感心したが朗々と良く声が出ていた。仕舞についてはよくわからないが、行儀良く丁寧に踊っていた。

愛子ちゃんもすっかり大きくなって、美少女に成長。汐汲みという恋する女性の踊りに挑戦。精一杯背伸びしてがんばってた。

長唄舞踊「助六」、端正で、すっきりとして見事。もちろん素踊り。小道具は傘だけの逃げの効かない踊りに真っ正面から取り組む姿勢にも感心した。

鷹之資君は今高2。後数年もしたら襲名の話も出てくるだろう。それを見据えて真面目にしっかり精進しているのが感じられて嬉しかった。もう声変わりは終わったのかしら。少しずつ歌舞伎の舞台の出演も増えてきているみたい。がんばってほしい。

nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

大妖怪展 [美術]

江戸東京博物館
http://yo-kai2016.com/index.html

土偶から妖怪ウォッチまで、と言ううたい文句が考えてみると既に怪しい。土偶は妖怪じゃない。まあ要するに、古くから日本に伝わる怪しい者、異世界のものを集めた展覧会、と言うことで。

始めは、看板通りの妖怪尽くし。北斎の天狗や、若冲の付喪神(可愛い!)、いろいろな百鬼夜行図が並ぶ。
絵巻など物語になったものもあって、中世既に妖怪が人々の身近にとらえられていたのがわかる。

a.JPG
北斎「天狗図」
なんだか格好いい天狗。

b.JPG
「姫国山海録」
漫画みたいで可愛い。

さらには幽霊図。このジャンルがはやるのは江戸時代以降。有名なのは応挙。足のない幽霊を描いたのは応挙が最初とか。

次は浮世絵(錦絵)に描かれた妖怪。お馴染みの国芳、国貞、芳年、暁斎らが並ぶ。数の上ではこのコーナーがいちばん充実していた。でも浮世絵展でよく見るので、初見はそう多くなかった。面白かったのは、国芳の「化物忠臣蔵」で、忠臣蔵の場面のいくつかを登場人物を妖怪に仕立ててあってユーモアたっぷり。

後半に行くと、妖怪から離れて、中世の地獄図や酒呑童子などが登場する。地獄の鬼や閻魔様を妖怪の系統に置くのはどうかとも思うけど。

c.JPG
国宝「辟邪絵 神虫(へきじゃえ しんちゅう」平安~鎌倉時代
凄いですね。恐ろしいけど辟邪、すなわち邪悪な鬼類を辟け除くための図絵だという。巨大な虫のような生き物が、8本もある足で鬼を捕まえ、大きな口に次々と運んでいる。神虫は蠶(さん)の美称で、善神として早くからその霊異が知られていた、とか。どういう発想なんだろう。ど迫力!

最後に縄文時代の土偶。「縄文人の不安の造形化」とされていたけど、土偶は豊穣や多産を祈る祭祀的なものじゃないのかしら。

いちばんお終いはアニメの妖怪ウォッチも。これは現代も生み出される妖怪、と言うことかな。でも人寄せっぽくてワン・コーナーだけだったけど。

ちょっと、「妖怪」という言葉で括るのは苦しいものも多くて、どうなんだという気がしてしまったけど、作品一つずつは見て楽しい。あまりこだわらずに見ればいいのかも。

西洋では悪魔や天使はよく描かれるが、こういう妖怪めいたものはそんなに多く見ない気がする。異界のものを恐れつつも親しみを持つ日本人の特異さ面白さがわかる展覧会。
夏休み、子供連れで混んでます。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

研の會 [舞台]

8月7日(日) 国立劇場小劇場
kennokai2_fljpg.jpg
第二回。昨年は踊り二題だったが今年は芝居にも挑戦。

仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
同     二つ玉の場 
六段目 与市兵衛内勘平切腹の場

早野勘平:尾上右近
お軽:中村米吉
千崎弥五郎:中村種之助
百姓与市兵衛:尾上菊十郎
母おかや:尾上菊三呂
判人源六:市村橘太郎
一文字屋お才:上村吉弥
斧定九郎/不破数右衛門:市川染五郎

右近の勘平は菊五郎さんのを良くなぞって、行儀良く。五段目では勘平の仇討ちに加わりたい必死さが良く出て、六段目自分が殺したのが舅と思い込んだところから最後まで動転する気持ち、申し訳なさ、おかるへの思い、悔しさなど丁寧に見せる。武士の心が根底にあり、かつ色男の性根を見せ上等。

米吉のおかるは色気もあり、なにより勘平が好き好きと言うのが見える。ただ時代世話より生世話な感じがするのが難しいところか。ふとしたときに時蔵に似て見えることがあり、血は争えないものだと。

染五郎、まず定九郎が何これ、格好いいんですけどっ!数右衛門はこの顔ぶれだとすっかりおじさん待遇(笑)なんだなあ、重みがあって立派。
種之助の弥五郎、勘平への友情があるからこそ、舅殺しと聞いての怒りがあり、切腹した勘平の無念さを誰より感じている熱さがあった。最後泣いてたような。
菊三呂のおかやがしっかり老け作りして上手い。婿への複雑な思い、疑念、怒りなどが良く出て、本公演でもいけそう。特に後半勘平をなじって責める辺り、意地悪役の上手い(失礼!)人らしく目が怖い。
吉弥のお才が花街のおかみらしい貫禄とさばけた様子、橘太郎がテンポ良く。

新歌舞伎十八番の内 船弁慶(ふなべんけい)

静御前/平知盛の霊:尾上右近
舟長三保太夫:中村種之助
源義経:中村鷹之資
亀井六郎:中村蝶十郎
片岡八郎:市川荒五郎
伊勢三郎:尾上音之助
駿河次郎:尾上音蔵
舟子:市村橘太郎
舟子:上村吉弥
武蔵坊弁慶:市川染五郎

右近の静は品があって美しい。能がかりで表情は大きく変えないが、義経と別れる悲しみで胸の内に溢れる涙が見えるよう。知盛が想像以上に力強く、特に花道の引っ込みは足取りの巧さもあって圧巻。息を飲んだ。

染五郎の弁慶がここでも貫禄。堂々として落ち着いていて立派。
鷹之資の義経、能のお稽古をしっかりやっているのがわかる台詞回し。顔もすっかり大人びて、動きの美しさも目を引いた。
種ちゃんの舟長、なんだか楽しそう。橘太郎に吉弥の舟子と共に生き生き。吉弥さんの髷姿なんてレアだわ。

右近君の強みは、踊りの上手さはもちろんだが、佇まいに気品があることだと思う。立ち役の発声に慣れていないのか、今日の楽では声が嗄れ気味だったのでここは鍛えてほしい。でも先月の女形の艶やかさも素晴らしく、これからどっち主体で行くのか気になるところ。上の世代もうかうかしていられない。

カテコでは「悔いはあります」と言いつつもやりおおせた充実感もある様子。「この悔いを埋めていつかは本公演でこの演目を」という力強い言葉に大きな拍手。おばちゃん、ちよっともらい泣き。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇
前の10件 | -
メッセージを送る