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中村富十郎さん死去 [舞台]

歌舞伎役者の中村富十郎さんが、3日に亡くなられました。享年81。

実質的に今年最初の記事がこんな悲しい話題になってしまうなんて。

踊りも、お芝居も、本当に達者な素敵な俳優さんでした。

私の富十郎さんの一番古い記憶は、90年に南座が改築中だったため甲部歌舞練場で行われた顔見世での「船弁慶」です。普通の劇場より壁に近い花道での引っ込みで、長刀を勇壮に回すのが超人的な巧さで、まだ歌舞伎を見始めて間もなかった頃ですが「なんてかっこいいんだろう」と思ったのを覚えています。

踊りはまさに天才的な名人芸で、数々楽しませていただいたけれど、浮かれ坊主なんて、出てこられただけで客席まで江戸の町にタイムスリップした気分にさせてくれました。躍りが上手い人は幾らでもいるけど、そういう空気まで生んでくれる人はもう出ないのかも。

お芝居では最近は脇に回られることが多かったけど、出ているだけで舞台が大きくなりました。弥陀六、工藤、梶原…。どれも一級品。「頼朝の死」の北条政子も。一昨年播磨屋の知盛に付き合った義経も品と悲哀と情があって、良かったなあ。あの朗々としたお声も大好きだったのに、もう聞けないんですね。

一昨年の矢車会で勧進帳の弁慶を最高齢で勤められたのを拝見できたことは、私にとって宝物です。義経の鷹之資君を命懸けで守るという気迫が、実生活とかぶって、本当に素晴らしい舞台でした。播磨屋の富樫も良くて泣けたなあ。

もうあの舞台を拝見できないかと思うと、また一つ歌舞伎の火が消えたようで、ひとつの時代が終わったようで寂しくて悲しくて泣けてきます。
新しい歌舞伎座の舞台に鷹之資君と立つのを楽しみにしていらしただろうに、きっとさぞ心残りでしょう。
でもきっと大ちゃんは立派な役者さんになりますよ。ご贔屓の皆さんが見守って下さいます。

いまはただ、お疲れ様でした。ゆっくりお休みになって下さい。
天王寺屋さん、本当にありがとうございました。

タグ:富十郎
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