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「酒井抱一と江戸琳派の全貌」展 [美術]

10月23日(日) 千葉市美術館
http://www.ccma-net.jp/exhibition_01.html

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今年は抱一の生誕250年記念に当たる。このため、江戸琳派の展覧会がいくつか開催されているが、これはその決定版とも言える展覧会。

抱一について今更ここで紹介する必要はないだろう。
大名酒井家の次男に生まれ、文化好きな家風の中で書画俳句など早くから嗜み、次男という気ままな立場から吉原などにも出入りして江戸市井の文化人とも交わり、出家して光琳らの琳派に傾倒してその後継者たらんとし、江戸琳派を確立、弟子の其一らと共に日本美術の大きな流れを作った第一人者。

これまでの展覧会では、とかく江戸琳派の画家としての面のみに光が当てられてきたが、今回は抱一の生涯を紹介する中で、抱一の兄や父母らの書画なども展示、大名家の文化水準の高さに目を見張る。
さらに若い頃の美人画などの浮世絵の類も珍しい。珍しいが、さすがに上手い。このままこっちの道に進んでいても十分成功しただろう。

しかしもちろん中心は琳派に傾倒してから。
光琳の代表作のいわば本歌取りをしたような八つ橋図。金箔の地に描かれた花鳥図。いずれも琳派らしい豪奢さがあるが、何となく光琳や宗達に比べて余白の広さや風通りの良さのようなものも感じる。育ちの良さから来る鷹揚さとでも言おうか、広やかさや伸びやかさがあるような。

きらびやかなのももちろん美しいが、今回いちばん心惹かれたのはこれ。
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月に秋草図屏風
むしろ寂しいくらいの秋の野の草花。銀で塗られた半月に照らされた、その繊細な薄などの、いっそ幾何学的とも言えそうな線の描写がうっとりするほど美しい。
IMG1.JPG
細部アップでご覧下さい。綺麗ですねえ。

そして抱一と言えば「たらし込み」の技法。こればっかりは絶対に油絵ではできない。繊細で絶妙なぼかし具合が溜息が出るほど綺麗。たらしこみを駆使した四季花鳥図の、毎月の絵の美しさは、日本人の美意識の典型の一つとさえ思える。
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「十二ヶ月花鳥図」より
抱一の描く鳥も好き。目が可愛いのよね。若冲のは鶏でさえ猛禽類みたいで怖いけど。

他にも、あまり知られていない抱一の仏画も色鮮やかで綺麗。
さらには、蒔絵師と組んで制作された道具箱や器も華麗。かなり注文も多かったらしい。絵師としてだけでなく、いわばデザイナーとしても売れっ子だった抱一の一面も見られる。着物もあって、どこのお嬢様がお召しになったものやら。

後半では其一をはじめ、弟子や江戸琳派の系譜につながる画家たちの作品も。
中ではやはりいちばん弟子の其一が群を抜いている。ただ、其一だけで観れば素晴らしい作品ばかりでも、抱一をあれだけ観た後ではさすがに分が悪い。ちょっと小振りに見えてしまうのね。

いやいや、とは言えやっぱり其一も素敵。中でもこの藤の絵。
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「藤花図」たおやかで、はんなりしていて。先日観たばかりの玉三郎の「藤娘」を思い出してニッコリしてしまった。

弟子達の絵も含め、総数300点以上。ただし展示替えが多く、一度では3分の2くらいしか観られないか。
私が行った日は、代表作の「夏秋草図屏風」は観られず残念。
でも初公開や、個人蔵の作品も多く、これを逃すと今度いつ観られるかわからないものも多い。
ともかく琳派、と言うか日本美術好きな方はぜひ足を運んで下さい。

図録も立派。2800円と高めだけど、この厚さでは仕方ないか、と思える充実したもの。重いですよ。
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コメント 2

リュカ

千葉まで行ってこられたのですね!
酒井抱一好きだな~~~
なんだか秋にぴったりの展覧会ですね。
私は明日、サントリー美術館に行ってきます^^
by リュカ (2011-10-27 18:56) 

mami

リュカさん、
うちから千葉は割と近いんですよ。横浜よりこっちが近いので苦になりません。
抱一いいですよね。
とても素敵な展覧会でした。お時間があったらぜひご覧になって下さいね。
by mami (2011-10-28 00:20) 

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