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吉例顔見世大歌舞伎 昼の部 [舞台]

11月7日(月) 歌舞伎座
1611歌舞伎座昼.jpg
二ヶ月連続の芝翫と息子たちの襲名披露公演。

一、四季三葉草(しきさんばそう)
翁     梅玉
千歳    扇雀
三番叟   鴈治郎

三番叟もののヴァリエーションだが、千歳が女だったり、長さ的にも短めで、厳かと言うより華やかでライトな印象。
梅玉は翁と言ってももちろん老人のなりではなく、気品ある様子。
扇雀の千歳がしっとりと美しい。
出てきた時誰この二枚目、と思った鴈治郎の三番叟、きびきびとした踊りが気持ちよい。
短いが幕開きらしい華やかな舞台。

二、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
粂寺弾正    染五郎
秦秀太郎    松也
腰元巻絹    梅枝
小野春風    萬太郎
八剣数馬    廣太郎
錦の前     児太郎
小原万兵衛    亀鶴
小野左衛門春道   門之助
秦民部     高麗蔵
八剣玄蕃   彌十郎

染五郎の弾正は明るくてスマートでこの芝居のおおらかさとは少し違うような。やってることがおかしいわけじゃない。本人も楽しそう。でもこの歌舞伎十八番の古風な演目の面白さとは相容れない雰囲気がするように感じてしまった。近代的なんだな。血かしら。 それに秀太郎や巻絹にセクハラまがいのことをするスケベさも、ちょっとお上品で面白くない。なんかいろいろ物足りない。この弾正には、荒事でこそないが、もっと稚気あふれる豪快磊落さとゲスすれすれの可笑しさがほしい。

松也の秀太郎、若衆で似合いと思いきや、意外と固いというか重め。
梅枝の巻絹はもはや役不足ではないかと思われ。
萬太郎の春風、とても腰元に手を出して身籠もらせたとは思えないおぼこさ。(笑)
門之助の殿様の方がよっぽど、、、はともかく、さすが殿様の風格。
彌十郎の玄蕃はもう少し悪人の黒さがほしい。
などなど、みんなもう一つ二つ足りない感じがする芝居だった。歌舞伎十八番の馬鹿馬鹿しい楽しさがいまいち感じられず。

三、祝勢揃壽連獅子(せいぞろいことぶきれんじし)
狂言師後に親獅子の精  橋之助改め芝翫
狂言師後に仔獅子の精  国生改め橋之助
狂言師後に仔獅子の精  宗生改め福之助
狂言師後に仔獅子の精  宜生改め歌之助
長楽坊   萬太郎
萬年坊   尾上右近
昌光上人   梅玉
慶雲阿闍梨   仁左衛門
文殊菩薩   藤十郎

この襲名のために新しく振り付けや間狂言が作られた、おそらく史上初の四人連獅子。
四人とあって普通とはいろいろフォーメーションが違って面白い。前シテはそれほどでもないが、後シテはせりを使ったりかなり違いがあった。踊りや毛振りそのものは、まあがんばってね、とゆるく見守る(何様)。
間狂言も特別編。出てくるだけでありがたい藤十郎の文殊菩薩を中心に仁左衛門梅玉が華を添える豪華版だが、演し物としてはいつもの宗論の方が面白いわ。

河竹黙阿弥 作
盲長屋梅加賀鳶
四、加賀鳶(かがとび)
本郷木戸前勢揃いより
赤門捕物まで
天神町梅吉/竹垣道玄  幸四郎 
女按摩お兼   秀太郎
お朝   児太郎
道玄女房おせつ  梅花
おつめ婆   歌女之丞
伊勢屋与兵衛   錦吾
日蔭町松蔵   梅玉

高麗屋がフリーダムで面白い。なんかいろいろ、この人もここまで来たか、みたいな感じで。天王寺屋なんかだと、悪人だけど愛嬌もあって憎めないところもある、と言う道玄だが、幸四郎だとずっとダークで、前にやっていた不知火検校に通じるような悪に開き直った感じもある。好みが分かれそう。

秀太郎のお兼がまた傑作。道玄と組んで悪事を働いても全く悪びれるところがなく、道玄のどす黒さに対してやけに明るい。年増の色気もプンプン。この方、夜は盛綱陣屋の微妙やってるんだよねえ。役者って凄い。  

梅玉が松蔵で付き合う。さらりと気っ風のよいところを見せ、儲け役。質屋で道玄をやり込めるのが、淡々としかしぐうの音も出ないように追い詰める小気味よさが気持ちいい。

まあしかし、始めの加賀鳶勢揃いこそ賑やかで良いが、終わりはあれだし、何も襲名公演で掛けなくても良いんじゃないか、と言う気はした。全般に昼の部は、襲名公演という盛り上がりが全く感じられなかった。先月は、口上以外の「女暫」や「外郎売」の中で襲名に触れる台詞があったりしてお祝い気分があったけど、少なくとも昼の部にはそういうのが全くなかったせいもあるが。 
     
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