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三月大歌舞伎 昼の部 [舞台]

歌舞伎座

一、明君行状記(めいくんぎょうじょうき)
池田光政 = 中村梅玉(4代目)
青地善左衛門 = 坂東亀三郎(5代目)
妻ぬい = 市川高麗蔵(11代目)
弟大五郎 = 中村萬太郎(初代)
若党林助 = 市村橘太郎
木崎某 = 中村寿治郎(初代)
吉江某 = 片岡松之助(4代目)
筒井三之允 = 中村松江(6代目)
磯村甚太夫 = 河原崎権十郎(4代目)
山内権左衛門 = 市川團蔵(9代目)

禁猟の御用地で過って鳥を撃ち殺した善左衛門。明君と名高い主君の光政は善左衛門の命を助けようと考えを巡らすが、一方善左衛門の方は主君の本心を知りたいと直々の裁断を願う。
青果らしい台詞劇。
なんと言っても光政を演じる梅玉の口跡が素晴らしい。日頃かわいがっている家臣の善左を助けてやろうとしているのに、小生意気に向かってくる善左を掌で転がすように理屈でへこませる様子が傑作。権威を笠に着るのではなく、善左衛門と正面から向き合いながら、青二才のおまえなぞに本心など探られてたまるものか、という自負心がみなぎる。同じ殿様でも綱豊卿とは違う、ざっくばらんな物言いもおかしみがあり、人を食ったような理屈にも最後は善左ともども煙に巻かれたような気分だがなんとなく言いくるめられた気になってしまう。梅玉さん、すごいわ。

対する善左は亀三郎。こんなに台詞の多い役初めてではないだろうか。日頃から声のいい人なので、あの美声で台詞がたくさん聞けて幸せ。もちろん感情表現もよく練られて、こんなに芝居のうまい人だったかと改めて感心。一本気で、かなりめんどくさい性格の善左を好演。

團蔵の権左衛門が殿様の側近で狸親父のようなとぼけた味を見せる。
松江が善左のいとこで、善左を案じる様子に心情がこもる。

二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
渡海屋
大物浦

渡海屋銀平実は新中納言知盛 = 片岡仁左衛門(15代目)
女房お柳実は典侍の局 = 中村時蔵(5代目)
相模五郎 = 坂東巳之助(2代目)
銀平娘お安実は安徳帝 = 市川右近(2代目)
入江丹蔵 = 市川猿弥(2代目)
武蔵坊弁慶 = 坂東彌十郎(初代)
源義経 = 中村梅玉(4代目)

仁左衛門は銀平の出から颯爽として文句なしにかっこいい。衣装を改めての知盛は神々しいばかりの高貴さ。手負いとなっての再度の出では深手を負った凄惨な姿で、義経一行へのすさまじいまでの恨みと、ひたすら帝大事の一念を見せる。帝に諭され、局も自害し、心も折れての述懐が悲痛で、最後の「昨日の敵は今日の味方」の後の笑いが、これですべてが終わるのだという諦念と、戦い疲れた自分の一生を振り返る寂しさにあふれて胸を刺す。美しくて気高い知盛。

時蔵はお柳ではさっぱりとした世話女房の風情。局と改まってからは高貴な様子と帝への敬愛を見せて、凜として美しい。
義経の梅玉も御大将の凜々しさと気高さを見せる。やはり梅玉さんの義経は当代一。

三、神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり)
荷持どんつく = 坂東巳之助(2代目)
親方鶴太夫 = 尾上松緑(4代目)
若旦那 = 市川海老蔵(11代目)
太鼓打 = 坂東亀寿(初代)
町娘 = 坂東新悟(初代)
子守 = 尾上右近(2代目)
太鼓持 = 坂東秀調(5代目)
太鼓持 = 坂東彌十郎(初代)
田舎侍 = 市川團蔵(9代目)
芸者 = 中村時蔵(5代目)
白酒売 = 中村魁春(2代目)
門礼者 = 坂東彦三郎(8代目)
大工 = 尾上菊五郎(7代目)

三津五郎さんの三回忌追善。もう二年か。。。
巳之助のどんつくは、まだ堅さもあるが、丁寧に一生懸命なのが良い。これから何度も踊るだろう。見続けていきたい。
松緑の親方がひょうひょうとした様子で、こちらはさすがに踊りも軽やか。曲芸の方はいささか危なっかしいがご愛敬。
亀寿も交えた三人での踊りが息も合って楽しげ。
周りも追善らしく顔ぶれがそろい、中でも大工の菊五郎がおおらかな味を出して場を和ませ、時蔵の芸者とも色めいた様子を見せて粋。
全員でのどんつくの踊りも楽しい。
三津五郎さん、見てるかなあ。みっくん頑張ってますよ。みんなが応援してますよ。と、楽しいのにホロリとなった。
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