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夢幻恋双紙~赤目の転生~ [舞台]

4月17日(月) 赤坂ACTシアター

1704赤坂歌舞伎.jpg

勘三郎が始めた赤坂歌舞伎。息子達が受け継いで、今回初めての新作。

蓬莱竜太 作・演出
新作歌舞伎
夢幻恋双紙(ゆめまぼろしかこいぞうし)
赤目の転生(あかめのてんせい)

太郎   勘九郎
歌   七之助
剛太   猿 弥
静   鶴 松
末吉   いてう
源乃助 亀 鶴
善次郎 亀 蔵

太郎は歌に惚れて一緒になるが、甲斐性なしで、歌の兄源之助に殺される。だが生まれ変わって、違う人格になって、また歌と一緒になるが、、、。

勘九郎が、歌が好き、と言う以外は全く違う男を演じ分ける。ろくに働かず甲斐性無の情けない太郎、金と力を手にし暴力的で傲慢な太郎、人が良くて友達思いで、歌を好きなのに友達に譲ってしまってでもそれを引きずる太郎、さらに。。。

そのどれもが、自分では歌を幸せにしたいと思っているのに、本当の歌の気持ちを理解しない、できないでくの坊。とにかく「イタイ」男。勘九郎はそれぞれの太郎の特徴をよく捉えて、情けなかったり、嫌われ者のワンマンだったり、を的確に捉えて見せている。早替わりではなく、あくまでどれも太郎という同じ人物というのも面白い。見てる方は、どうしてそう極端になっちゃうんだよ、とハラハラする。男の強さと弱さ。優しさと裏返しの暴力性。上手いな、勘九郎。そうだよ、上手いんだよこの人。
もっともっとこの人が実力を発揮できる芝居が見たい。無理に父親の二番煎じじゃなく、勘九郎の個性に合った役が見たい。今回の役は、新作だから当然だけど、勘三郎の影が見えず、勘九郎のオリジナリティが発揮できていてそれがうれしかった。

七之助の歌も、太郎の転生につれて違う顔を見せる。でもどの歌も無意識に男を引きつけ、男に頼って生きている。でも最後の最後に明かされる歌の思い、それがすべての事の起こりになっていたとわかるラストは衝撃。七はこういう儚げさややるせなさを見せるのが上手い。

猿弥の剛太が気のいい男で、良い友達。まっすぐで、唯一まっとうな登場人物かも。おいしいとこを持って行った。
亀鶴の源乃助が薄気味の悪い兄かと思えば、暴君太郎に逆らえない男になったり。亀鶴さんはニヒルな役がお似合い。無気味で影のある様子がぴったり。
鶴松の静、ごく普通の娘かと思いきや、太郎の妾、と言うより情婦といった方がぴったりくる女になったり。末恐ろしい子だわ、鶴松君。妙な色気があるんだよね。それも健康的なじゃなくて、背徳的な暗い感じが。
いてうが抜擢で末吉を好演。気が弱くてお調子者。

亀蔵がせっかく出てるのに見せ場が少なくてもったいない気も。でもしっかり見せるところは見せるのがさすが。

作者の蓬莱竜太と言う人の名は、私は初めて知った。小劇場で活躍している人らしい。もちろん歌舞伎は初めて。妙に歌舞伎に挑まずに、まあ普通の時代劇的なアプローチなのがシンプルかつストレートで好感は持てる。
転生というふしぎな題材で、男と女の業を描いた面白さ。あえて言えば、男の太郎はよく書けているが、女の歌の方をもう少し掘り下げてあれば、と言う気がした。

舞台セットもシンプルだが、切り絵を使ったモダンさがあり、新しさも感じるが歌舞伎の舞台として違和感がない。ただ、小屋などの装置を動かすのが串田風に思えて、あれがはやりなのかなあ、と思ったり。
下座音楽は使わず、ポイントになる場面でピアノの演奏が入るが、不思議とマッチしていて面白かった。

「歌舞伎」かと言われれば、普通の俳優でもできそうな気もするので、そうは言い切れないが、芝居として面白かった。特に勘九郎には財産になりそうで、再演されると良いな。
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