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海北友松展 [美術]

京都国立博物館
http://yusho2017.jp/index.html
この日は奈良と京都の国立博物館をはしご。時間はともかく体力勝負。

桃山時代を代表する画家の一人、海北友松(1533~1615)の展覧会だが、永徳や等伯に比べると知名度ではいまいちな感じ。武家の出身で、はじめは狩野派に学んだが、名が知られるようになったのは60代で,狩野派の影響から離れてからと言うまさに遅咲き。今回は回顧展と言うことで比較的少ない若い頃の作品も出ているが、圧倒的に多いのは60代後半から。実質20年にも満たない晩年に大輪の花を咲かせ、量的にも質的にも瞠目すべき作品を残したその老年パワーに脱帽。

60代で建仁寺の障壁画の多くを任され,現存している。

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雲龍図(部分) 建仁寺大方丈
二双八幅のうち四幅。対の四幅と角を合わせるように配置されていて、両方に囲まれるように見たときの迫力と来たら。よく見ると顔はそう恐くないんだけど、手の爪が鋭くて八つ裂きにされそう。渦巻く雲の間から雷鳴がとどろくかのよう。

さらに驚きなのは、もっぱら水墨画を描いていた友松が彩色の大和絵を本格的に描くようになったのが70代と言うこと。

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重文 花卉図屏風(右隻)妙心寺
建仁寺とともに妙心寺も友松と縁が深い。「妙心寺屏風」と呼ばれる普通より高さの高い屏風を三双も手がけている。中でもこの花卉図は華やか。右隻の金箔に牡丹は華麗でありながら抑えた色味が品が良く清楚で美しい。

晩年になっても衰えぬ意欲で制作に取り組んだ友松。その最晩年の傑作と言われるのがこれ。

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月下渓流図屏風
妙心寺屏風の華やかさから,静謐で哲学的とさえ感じられるような境地にたどり着いた友松。この絵があの等伯の「松林図屏風」とも並び称されると言うのもうなずける。ほの明るい月明かりの下梅が咲き川が流れる。しかし音はほとんど聞こえてこない。深閑とした冷たい空気だけが感じられ、目を閉じると梅の香りがほんのり漂う。そんな景色。
今はアメリカの美術館所蔵で60年ぶりの里帰り。


初めて友松の作品をまとめて観たせいか、実に新鮮。力強さもあり、華麗さもあり、狩野派にも長谷川派にもない面白さも感じた。

展示は京博の新館の広さを生かし,ゆったりと間を取ってあるのと、作品が大きな障壁画が多いためせせこましくなくて見やすかった。また、最後の部屋では数枚の龍図だけを真っ暗な中に浮かび上がらせるように展示。そういう工夫も楽しい。

東京で開催されないのがとても残念。京都まで行ける人は必見。
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