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江戸絵画への視線展 [美術]

7月18日(月) 山種美術館
http://www.yamatane-museum.jp/exh/2016/edo.html

山種も開館50周年なんだそう。出光もだし、国立劇場も。1966年って、文化的に何かエポックメーキングな年だったのね。
この展覧会も50周年記念の第一段。山種というと、明治以降の近代日本画のコレクションで知られるが、江戸以前のもかなりもっている。今回はその江戸絵画の特集。
副題には岩佐又兵衛から琳派へ、とあるがその他にも狩野派や文人画も多数。ただし今回は浮世絵は除かれている。いの一番にあったのは若冲の伏見人形図。このところのブームに乗っかってる?
その後は宗達に始まる琳派が続くが、質量とも充実していたのは抱一。

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酒井抱一《秋草鶉図》
何度も観てる作品だけど、何度見ても素敵。愛らしい鶉、清らかな花々、幾何学的でさえある薄。月の銀が黒いのは始めからわざとそうしてあるのだとか。

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岩佐又兵衛《官女観菊図》
又兵衛の絵ってなんだか怖い。この時代にしては顔もなんだかリアルだし、綺麗って感じじゃない。でも細部の描写はこの時代にしてはとても写実的。

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椿椿山 『久能山真景図』 重要文化財
文人画かと思ったがそういうわけでもないらしい。この辺の見分けが素人には難しい。江戸時代も末期。さらさらと、また特に人の後ろ姿に飄々とした味わいも感じる(のが文人画かと思った理由)。

江戸絵画と一口に言っても様々で、その全貌とはいかなくても多様さを知ることが出来る。

また別室では、開館50周年として、コレクションの中から選りすぐりの名品を展示。松園の「蛍」、大観の「喜撰山」なども観ることができるのが嬉しい。

七月大歌舞伎・夜の部 [舞台]

7月18日(月) 歌舞伎座

江戸絵両国八景
一、荒川の佐吉(あらかわのさきち)
荒川の佐吉    猿之助
相模屋政五郎   中車
極楽徳兵衛    男女蔵
大工辰五郎    巳之助
お八重     米吉
絵馬屋重作   桂三
あごの権六   由次郎
鍾馗の仁兵衛   猿弥
丸総女房お新   笑也
隅田の清五郎   門之助
成川郷右衛門   海老蔵

猿之助の佐吉に海老蔵の成川というどちらも初役の清新な顔合わせ。
猿之助が佐吉をやるとは思っていなかったのだが、先代もやっているらしい。佐吉というと仁左様の当たり役でどうしても比べてしまうが、正直言うと、私は今回の猿之助の方が台本が描く佐吉には合っているような気がした。特に良かったのは序幕の台詞にあるような「己の力次第で上を目指す」暗い炎が垣間見えたこと。仁左様の佐吉は余りに「仁左衛門の佐吉」になっていて、こんな真っ直ぐで良い人がなんでやくざに憧れるのかわからない、と言う矛盾を感じざるをえない。猿さんだとそこに無理を感じない。
三下奴の虚しさややるせなさも見せつつ、純な心を持ち続ける。子煩悩な様子も予想以上で、泣かされた。お新相手の恨み言に切なさが溢れる。卯之吉を返すのはいやだと叩きつけるような台詞に劇場中が共感し涙。それでも卯之吉の将来を思って身を引く潔さが、男気に満ちる。佐吉が本物の男になったのは敵を討った時ではない、この時なんだ。
幕切れ、辰が背負う卯之吉に頬ずりをする顔の優しさ穏やかさ。せっかく手にしたものを全て捨て去って一人旅立つ男の潔さがたまらなく格好いい。

米吉のお八重はプライドが高く気が強いが、別に悪い子じゃない。ただ父の情けない姿に苛立ち、姉の犠牲になるのもいやで、自分で自分の身は立てようと思っただけ。現代の目からすると、とても当たり前のことだが、この時代では我が儘とされるのかなあ。私はお八重ちゃんに共感するけど。そんなお八重を米吉は序幕のお嬢さん然とした姿から、長屋暮らしのやるせない様子、最後の大人になった姿まで変化を付けてきっちり見せて上々。

海老蔵の成川は、序幕の無頼漢然としたつかみ所のない様子から、突然仁兵衛を斬ってのし上がる底知れない不気味な雰囲気をニヒルに演じた。
巳之助の辰五郎が良い人過ぎて泣ける。気が良くて面倒見がよくて、ほんとに良い奴。巳之助の真っ直ぐな演技が胸を打つ。似合うなあ。

笑也のお新はなんとも情の薄いというか、はっきり言ってこの役は荷が重かったようで、全然可哀想に思えなかった。全然本心から後悔しているように見えないんだもの。こんな母親だったら卯之吉返さない方がいいわ、と思ってしまった。

中車の相政は貫禄不足は否めないが、やくざの親分という、たとえまっとうな人物でもやはり裏社会の人という空気があるのが良い。
猿弥の仁兵衛は恰幅は良いが人物が大きいわけではない親分というのが柄にあっている。序幕より、落ちぶれてから、せめてお新だけは身を立てさせたいと言う親心が強く感じられたのがむしろ新鮮か。他の人は金欲しさに赤ん坊引き取ったとしか思えなかった。その姉だけはという父に、じゃあ私は犠牲になるのかという八重の反発が鮮明に感じられたのが、今月の芝居の面白さでもある。

壽三升景清
二、歌舞伎十八番の内 鎌髭(かまひげ)
  歌舞伎十八番の内 景清(かげきよ)
〈鎌髭〉
修行者快鉄実は悪七兵衛景清  海老蔵
猪熊入道               市川右近
下男太郎作実は梶原源太    亀三郎
下男次郎作実は尾形次郎    九團次
下男三郎吾実は愛甲三郎    巳之助
下女お梅実は梶原妹白梅    尾上右近
下女お菊実は尾形妹園菊    米吉
下男四郎丸実は三浦四郎丸   鷹之資
うるおい有右衛門         市蔵
かわうそお蓮            萬次郎
鍛冶屋四郎兵衛実は三保谷四郎   左團次

〈景清〉
阿古屋     笑三郎
岩永左衛門   猿弥
花菱屋女房おさく  右之助
秩父庄司重忠   猿之助

「暫」同様、中身なんてない。ただひたすら海老蔵のでっかさを愛でる芝居。もうそれだけなんだけど、それで十分面白かった。やっぱりこういう役はこの人でないと。上手い下手じゃないんだよねえ。こういう馬鹿馬鹿しいほど内容のない芝居を見せる器の大きさには敬服する。だって、まともに考えたらわけわかんないよ、なんだあんな巨大海老があるの。(笑)

左團次が柄の大きさを見せる。
笑三郎の阿古屋がしっとりと美しく、芯の強い女性で上出来。
猿之助が重忠で付き合う。

久しぶりに本公演に出演の鷹之資はもう変声期終わったのかな。しっかり台詞も言えてたし、決まった姿勢が綺麗。これからどんどん舞台に出ると良いな。

ただ景清の最後の津軽三味線は、ううん?って感じ。いや、津軽三味線自体は嫌いじゃないです。でも歌舞伎十八番にアレはどうなんだ、と。特に四天との立ち回りのところは、なんだかショーっぽくなっているような気がして。太棹で聞きたかった。

七月大歌舞伎・昼の部 [舞台]

7月11日(月) 歌舞伎座

昨年に続いて、7月は海老蔵と猿之助の奮闘公演。

宇野信夫 作・演出
織田紘二 補綴・演出
通し狂言
一、柳影澤蛍火(やなぎかげさわのほたるび)
柳澤騒動
本所菊川町浪宅より
駒込六義園庭園まで

柳澤吉保  海老蔵
護持院隆光  猿之助
茶道千阿弥  市川右近
おさめの方   尾上右近
曽根権太夫   猿弥
徳川綱吉   中車
桂昌院    東蔵

史実は全く無視して、宇野信夫が柳沢吉保を主人公に書いた芝居。宇野信夫は「不知火検校」といい、よほどこういうピカレスクロマンが好きらしい。

海老蔵は、意外に序幕の貧しい浪人の時がいちばん良い。貧しくとも慎ましい許婚との生活にさして不満もなく暮らす、清廉な青年の様子が、寂しげではあるが真っ直ぐな人間として描かれている。発声はいつもと同じだがそれほど例のファルセットになってなくてまともで聞きやすい。
浪々の身から桂昌院に取り立てられ出世の道をばく進するようになっても、始めはまだ苦悩があったのが、許婚のおさめを人身御供のように綱吉に差し出し、おさめのライバルを罠にはめ、次々に邪魔者を始末し、ついには桂昌院までも手に掛ける冷血漢に変わっていく様を海老蔵はクールにしかし暗い情念を持って見せる。
普通の世話物は向いてないけど、こういう書き物は性に合うのかな。良くはまっていた。
だが物語自体に魅力が薄く、見ていてげんなりしてきてしまい、正直言って面白くはなかった。それは宇野のせいであって役者のせいではない。

大抜擢の尾上右近のおさめが良い。美しく、気立ても良く、吉保に無償の愛を捧げながらも、騙されて綱吉の側室となり権勢を手にしてもなお吉保への慕情を捨てない。最後は身を捨てて吉保と事実上の心中を図ることで愛を全うする、儚さの中にも強さを秘めた女。右近は若いがしっとりとした色気があって、若い娘から、打ち掛けを着た中﨟までどれも似合うのが凄い。こんなに出ずっぱりの大役は初めてかもだが、踊りだけではないところを印象づけた。

中車の綱吉、マザコンでちょっと頭が足りないんじゃないかという将軍の、しかし権力を握っている男の我が儘さ不気味さがあって怖い。
東蔵の桂昌院はどう見てもミスマッチ。色好み美男好きという、女の嫌らしさの結晶のような桂昌院には東蔵は穏やかすぎる。
猿之助が吉保と勢力争いをする犬猿の仲の僧。美坊主。頭脳明晰で冷静で権謀術策をめぐらす不気味さがあった。

二、流星(りゅうせい)
市川猿之助宙乗り相勤め申し候
流星   猿之助
織姫   尾上右近
牽牛   巳之助

うんざりな芝居の後は、楽しく明るい踊りでパッと気を変えて。(でも実はかなり寝落ちてしまったが。。。)
「流星」と言えば三津五郎を思い出すが、猿之助も見事なもの。夫婦と老母、子供をめまぐるしく踊り分けて乱れることがない。その足どりの軽さ、身のこなしの柔らかさ。見事としか言いようがない。最後は先月に続いて宙乗り。好きねえ。
右近と巳之助が清潔な美しい若いカップル。いや~、右近も綺麗だが、巳之助も男っぷりが上がって良い。二人の踊りももっと見たかった。

ほほえみの御仏展 [美術]

7月10日(日) 東京国立博物館
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1792

日本と韓国の二つの半跏思惟像を並べて観比べる特別展。
日本からは奈良、中宮寺の国宝。7世紀。
韓国は韓国国立中央博物館蔵の韓国国宝78号。6世紀。
どちらも、国を代表する半跏思惟像。

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中宮寺 半跏思惟像
黒いのでずっと鋳造だと思っていたが、木像に漆塗りだとか。今は頭の飾りも、衣装の飾りもなくなっているが当初はきらびやかに装飾されていたのだろうか。ひっそりとした微笑を浮かべたお顔の穏やかな美しさ、優美な曲線を描く指、なだらかな衣紋の彫りの見事さ。7世紀という、日本で仏像制作が始まってまだ100年もたたない頃の作品の、素朴さの中に気品が漂う。

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韓国国宝78号 半跏思惟像
こちらの方が6世紀だから先行する。これは銅像。ポーズはほぼ同じだが、右手の指の曲げ方が少し違う。中宮寺のが人差し指から小指へだんだん曲げが深くなるのに対し、こちらはやや直線的。人差し指中指を揃え、薬指小指を曲げる。その指を添えたほおに浮かぶ微笑みのなんと深く美しいこと。斜めから観た横顔がうっとりするほど綺麗だった。こちらは頭部や衣装の装飾もしっかりあって華やか。

二体だけの展示って、割高よね~、と思っていたが、どちらもうっとりと眺めて幸せな気分に。行って良かったです。

ポンピドゥーセンター展 [美術]

7月10日(日) 東京都美術館
http://www.pompi.jp/ 

フランスの現代美術を有する美術館。
1906年から、センターが出来た1977年までの間を1年1作品ずつ並べて20世紀の美術史、世界史を辿る。
オープニングを飾るのはデュフィ。

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デュフィ「旗で飾られた通り」
革命記念日に国旗がはためく様子を鮮やかに描いた1枚。

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1917年はシャガール「ワイングラスを掲げる二人の肖像」
シャガールと妻のベラの肖像。結婚式の幸せ溢れる二人。あとから描き加えられたという上の天使は前年生まれた娘。
第一次大戦中だがあまりその影を感じない作品。

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1935年 ピカソ「ミューズ」
20世紀を代表する画家のピカソ、どの年でも良さそうだが取り上げられたのはこの1枚。

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1948年 マティス「大きな赤い室内」
2枚の絵、2つのテーブル、2つの動物の敷物、などが対照をなす面白さ。そしてなにより強烈な赤が目を引くマティスらしい1枚。

1945年は終戦の年。この年はあえて絵ではなく、ピアフの歌う「ラ・ヴィアン・ローズ」を流す選択。

47年はレジェ、50年ジャコメッティ、55年クリスト。。。と、だんだん年代が近づいてくるにつれ、当然モダンというかコンテンポラリーアートになってくると、意味不明のが増えてくる。まあそれが20世紀美術なんだろうな。
64年のヴィアラの「綱」なんて、ほんとにただの綱がつり下げてあるだけ。なんなんだよ(笑)。

知らない作家もかなりいて、でもそれも面白い一方で、なんであの人はいないんだろう、と思うこともあったりしたのも事実。ああ、フランス人、またはフランスで活動した人に絞ってあるのかな。
もちろん絵画だけでなく、写真や彫刻、オブジェの類も。

56年のマルケル「ラ・ジュテ」は写真と朗読で綴るフィルムのSFストーリー。ブラックな内容でちょっと怖い。でもこのスペース、椅子もちょっとしかなくて、立ったまま26分の映像を見せられて、混んでると窮屈だしなんとかしてほしい。

また、展示作一つずつに、作品のキャプションの他に作家の言葉が添えてあるのも面白かった。

たった60年辿るだけでこんなにも多様になった美術の世界。まあ正直理解できない、ついて行けないものも多いけど、めくるめく思いで眺めてきた。
また、展示構成も、建築家・田根剛氏が手がけた都美らしからぬハイセンスな見せ方になっていて、これもポイント高し。

歌舞伎巡業 中央コース [舞台]

7月3日(日) 牛久市中央生涯学習センター文化ホール
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他に近辺で行ける日程がなく、はるばる牛久まで。でも思ったほど遠くない。しかーし、駅から会館までが遠かった。バスは1時間に1本しかない。ナビ先生は徒歩20分くらいと言うからまあいいか、と歩いてみたが、優に30分はかかった。迷ってなんかいないのに。こういうところは、車で行く人がほとんどで、駅から歩くなんて想定外なんだろうなあ。ああ、疲れた。ええ、帰りはバスに乗りましたよ、終演から50分くらい待って(苦笑)。

中央コースは松緑、時蔵を中心の音羽屋組。

一、歌舞伎の見方
解説  坂東 亀寿
       中村 萬太郎

冒頭は大薩摩の演奏から始まる、意表を突く出だし。萬太郎は先月の鑑賞教室でも解説をやっていたので手慣れた様子。途中から亀寿も加わって、立ち回りの実演もありなかなか楽しい解説だった。

二、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
鳴神上人   尾上 松緑
雲の絶間姫    中村 梅枝
黒雲坊    中村 萬太郎
白雲坊    坂東 亀寿

松緑のお上人は前半ちょっと硬い感じ?いや上人らしさを出そうとしてるのね。姫の懐に手を入れてからの豹変ぶりがかわいい。頭でっかちでうぶな上人が姫の手のひらで転がされておかしいやら可哀想やら。姫に堕とされてからはエロいわ、おかしみたっぷりだわで客席も大いにうけていた。
終盤の荒事は豪快で本領発揮。幕切れの六方の引っ込みもっと長く見たかった。花道のない会場だからあっという間に消えていった。

梅枝の雲絶間姫期待通りのよさ。楚々として上品で、真面目そうなのがエロイという。なんかそれ反則じゃね?って感じで、そりゃもううぶなまつみどりくんお上人様なんていちころ。
梅枝の雲絶間姫のどこがエロいって、鳴神に胸に手を入れられて、頭では自分には許婚もいて、これはお上に言われて策略で仕方なくやってるのよ、と思いながら、女の体の方が無意識に反応してしまって「あはん」ってなっちゃってるのが見えるところ。こんな反応する雲絶間姫、初めて見たよ。怖いわ、うめこ。

三、文売り(ふみうり)
  三社祭(さんじゃまつり)
〈文売り〉
文売り   中村 時蔵
〈三社祭〉
悪玉   坂東 亀寿
善玉   中村 萬太郎

終わりは舞踊二題。
「文売」は『嫗山姥』の"しゃべくり"の場面を舞踊化したもので、廓の女たちの文を代筆するのを生業とする女が、傾城の恋模様を踊ってみせる洒脱なもの。時蔵は紙衣の衣装で、さっぱりとした中にもあだっぽさが滲む。大人の女の色気があって綺麗。

「三社祭」、亀寿萬太郎コンビがこれでも活躍。キビキビ、そして丁寧に。すごく上手いわけではないけど、見ていて気持ちいいし、何より見ている人に踊りの楽しさが伝わるのが素敵。今まであまりこのコンビはなかったように思うけど、なかなか良い感じなので、今後も組んでいろいろ見せてほしい。

重苦しい演目がなくて、わかりやすくて楽しい。巡業にはぴったり。


歌舞伎巡業 東コース [舞台]

6月30日(木) 江戸川総合文化センター
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夏場恒例の巡業、東コースと中央コースはこの日が初日。まず東の方を拝見。
東は染五郎、壱太郎らの顔ぶれ。

一、ご挨拶
市川 染五郎

染五郎がスーツ姿で登場。まずご当地ネタで、このホールのこけら落としでも歌舞伎公演があったこととか、地元で有名なグルメの紹介(いや、私、地元だけど知らなかったんですが。。。)
後は演目のざっくりした紹介など。
内容はどうってことないけど、よく考えたら染ちゃんのスーツ姿、と言うか素顔を生で見たの初めてかも。さすがに男前~でした。

二、晒三番叟(さらしさんばそう)
如月姫 中村 壱太郎

舞踊。初めて見る演目。源氏の白旗を取り戻そうとする平忠度の娘如月姫が、旗を晒しのように振って踊るのが眼目。
壱太郎は美しく、衣装も二度の引き抜きがあって目にも華やかで楽しい。晒しを振ると言えば近江のお兼だがあれより衣装が重そうで大変かも。最後、引き抜きのせいか帯が少し下がって見えたのは気のせいかな。動きはまだ馴染んでない感じはあるが、ただのお姫様じゃない闘う女のきりっとした様子も見せてなかなか。


三、秀山十種の内 松浦の太鼓(まつうらのたいこ)
松浦鎮信   市川 染五郎
大高源吾   中村 歌昇
宝井其角   嵐 橘三郎
お縫      市川 高麗蔵

染五郎初役の松浦侯。吉右衛門の叔父がやるのを憧れて見ていたと言うが、本当にその叔父様のをよくなぞってきた。愛嬌があって、我が儘で気分屋だけど憎めないお殿様の可愛さが良く出ていた。もちろん、ご隠居のお殿様にしては若々しすぎて、鷹揚さや貫禄に欠けるのは致し方ない。自分のものにするにはこれから経験を積んで10年、20年掛かるのかもしれないが、播磨屋の秀山十種の内でも代表的な演目を染ちゃんが継いでくれるのはとても嬉しい。

歌昇の源吾も初役。(と言うか、橘三郎も高麗蔵も初役、とご挨拶で染めちゃんが言ってた)
いつも播磨屋の御前様に近習で出ていて、ごますりに精勤していた(笑)が、まさかの源吾。初日ゆえかやや力が入りすぎだが、序幕での其角への遠慮がちな様子から一変して終盤での討ち入りを果たして晴れ晴れとした様子へと、しっかりと変化を見せ、凛々しい武士の風情。決め顔流し目いただきました~(笑)。

橘三郎の其角は初役とは思えない(いや、ちょっと台詞が怪しいとこはあったけど)、似合いの役で、情のある、俳諧の師匠らしいさばけた様子がこざっぱりとして上手い。
高麗蔵のお縫も楚々とした腰元の風情が身についていて、行儀良い様子。
7月に見るのも何な演目だけど、ちゃんと楽しめる仕上がりになっていた。

四、粟餅(あわもち)
杵造   市川 染五郎
おうす  中村 壱太郎

団子売りとよく似た雰囲気。先の晒三番叟と違って、くだけた世俗舞踊とでも言うか、肩のこらないおおらかな様子の踊り。染五郎、壱太郎とも、まだ息がぴったりというわけではないが丁寧に。和やかな雰囲気で楽しそう。踊り込んでいけばもっと面白くなりそう。


開館50周年記念 美の祝典 III  江戸絵画の華やぎ [美術]

出光美術館
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html

シリーズ第三期、最終期は江戸絵画。
やまと絵も水墨画も良いけれど、素人にはやっぱり江戸絵画は見て楽しい、綺麗、面白い。
浮世絵から琳派の屏風絵、祇園祭礼図など見応えあるものがずらりと並ぶ。

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喜多川歌麿 更衣美人図
肉筆画。薄物の着物から透けて見える襦袢、指先まで繊細に描かれた女の色気が漂う。

浮世絵は他に北斎、栄之らのものも。

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酒井抱一 風神雷神図屏風
抱一の、宗達、光琳へのオマージュとして名高い作品。宗達の豪胆さに比べると、落ち着きと品の良さも感じるのが抱一らしい。でもやっぱり楽しいな、風神雷神図は。

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酒井抱一 紅白梅図屏風
有名な光琳のが金箔地なのに対し、こちらは銀箔。そのせいでとても冴え冴えとした、澄み切った空気が感じられるよう。今回の展示では、二隻を角を挟んで展示。前に立つと、紅梅と白梅に囲まれている気分になる。背筋が伸びるような凛とした心地になって、幸せ。
しかし、何故銀なのに黒ずまないのかな。不思議。

抱一は他に十二ヶ月花鳥図や八ツ橋図屏風もあり充実。
もちろん、宗達、光琳、其一らもあって、琳派好きにはたまらない展示。

そして今期も伴大納言絵巻。下巻の展示で完結。どこ見ても面白い。


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