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三月大歌舞伎 夜の部 [舞台]

歌舞伎座

双蝶々曲輪日記
一、引窓(ひきまど)

南与兵衛後に南方十次兵衛 = 松本幸四郎(9代目)
濡髪長五郎 = 坂東彌十郎(初代)
平岡丹平 = 松本錦吾(3代目)
三原伝造 = 大谷廣太郎(3代目)
母お幸 = 市川右之助(3代目)
女房お早 = 中村魁春(2代目)

幸四郎の与兵衛はちょっと立派すぎるかな。侍に取り立てられたばかりという初々しさが薄い。義理堅い様子はよく出ていたけど。それと、母が絵姿を売ってくれと言うのを受けて他の人と違い「私“も”あなたの子でございます」って言っていた。それもかなり”も”を強調していたような。「私は」だと、息子に隠し事をするのか、という感じなのが、「私も」だと私も息子なのに、実の息子をかばうんですね、と恨みがましい感じ。なので個人的には「私は」の方が好き。

魁春のお早は元は花街にいた艶やかさの名残と、人の良さがあっていい。
右之助のお幸も、実子と継子の間で揺れる母の切なさを見せる。この人のお幸で良かったのは、夫が生きていた頃は武士の女房でしかも代官の妻とあればそれなりの気位もあるであろうというところが垣間見えたところ。であればこそ、はじめは実子を助けたいと思うが、後にはそれでは義理が立たぬと思い直すだけの理性を持つ。ただの百姓女ではない。

彌十郎の長五郎も誠実で義理に厚い様子が似合い。

二、けいせい浜真砂(けいせいはまのまさご)
女五右衛門
南禅寺山門の場

石川屋真砂路 = 坂田藤十郎(4代目)
真柴久吉 = 片岡仁左衛門(15代目)

「楼門五三桐」の五右衛門を女に置き換えたもの。ストーリーなんてあってないようなもので、ただ二人の役者ぶりを愛でる演目。
藤十郎は台詞が聞き取りづらかったが、あのたいそうな衣装で舞台に立たれるだけでもう頭が下がる。
そして仁左衛門の久吉の颯爽として美しいこと。
ただただこの場面が見られただけで眼福。


河東節開曲三百年記念
歌舞伎十八番の内
三、助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
河東節十寸見会御連中

花川戸助六 = 市川海老蔵(11代目)
三浦屋揚巻 = 中村雀右衛門(5代目)
くわんぺら門兵衛 = 中村歌六(5代目)
朝顔仙平 = 市川男女蔵(6代目)
通人里暁 = 坂東亀三郎(5代目)
三浦屋白玉 = 中村梅枝(4代目)
福山かつぎ = 坂東巳之助(2代目)
傾城八重衣 = 坂東新悟(初代)
傾城浮橋 = 尾上右近(2代目)
傾城胡蝶 = 大谷廣松(2代目)
傾城愛染 = 中村児太郎(6代目)
男伊達山谷弥吉 = 澤村宗之助(3代目)
男伊達田甫富松 = 市川男寅(7代目)
文使い番新白菊 = 中村歌女之丞(3代目)
奴奈良平 = 市川九團次(4代目)
国侍利金太 = 片岡市蔵(6代目)
遣手お辰 = 市村家橘(17代目)
三浦屋女房お京 = 大谷友右衛門(8代目)
曽我満江 = 片岡秀太郎(2代目)
髭の意休 = 市川左團次(4代目)
白酒売新兵衛 = 尾上菊五郎(7代目)
口上 = 市川右團次(3代目)
後見 = 市川右之助(3代目)

今年は河東節ができて300年になるそうでそれを記念しての上演。

なんだかんだいっても、助六は海老蔵だな。他に男前な役者はいっぱいいるけど、助六となると話は別で、やはり成田屋でなくちゃ。と、とりあえず思わせてくれたので満足。

雀右衛門初役の揚巻。観る前は地味じゃないかと心配したが、なかなかどうして。それは玉様のような女王様ではないけど、華もあり堂々として美しい。悪態の初音も明瞭で気持ちいい。だが何よりも、助六への思い、その母満江への気配りがしっとりと感じられるのがこの人らしい。再演を重ねて当たり役にしてほしい。

菊五郎の白酒売が、力の抜け加減といい、柔らかみといい、この人ならではの傑作。さらさらと何も構えるところないようでいて、きっちりツボを押さえてくる最上の巧さに舌を巻く。

左團次の意休も今はこの人しかいない安定感。
白玉は梅枝。雀右衛門揚巻の妹分として十分の貫禄。毎度ながらこの安定感は何なんだ。

かつぎは巳之助で、頑張ってるけどちょっと力みが目立った。今月はこれ以外の役も含めて大車輪だが、どれもややもすると顔芸に走りがち。抜けといっても難しいだろうけど、もうちょっと力抜けると良いな。
通人里暁は亀三郎。代々のこの役の人に比べるとあっさり目で行儀良く。きっとお金の払いもきれいで、太鼓持ちや花魁にも人気がありそう。立ち去り際には5月の襲名もしっかりアピール。

並び傾城がまた若返った。みんな可愛い。この中から次の白玉や揚巻は出るだろうか。

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三月大歌舞伎 昼の部 [舞台]

歌舞伎座

一、明君行状記(めいくんぎょうじょうき)
池田光政 = 中村梅玉(4代目)
青地善左衛門 = 坂東亀三郎(5代目)
妻ぬい = 市川高麗蔵(11代目)
弟大五郎 = 中村萬太郎(初代)
若党林助 = 市村橘太郎
木崎某 = 中村寿治郎(初代)
吉江某 = 片岡松之助(4代目)
筒井三之允 = 中村松江(6代目)
磯村甚太夫 = 河原崎権十郎(4代目)
山内権左衛門 = 市川團蔵(9代目)

禁猟の御用地で過って鳥を撃ち殺した善左衛門。明君と名高い主君の光政は善左衛門の命を助けようと考えを巡らすが、一方善左衛門の方は主君の本心を知りたいと直々の裁断を願う。
青果らしい台詞劇。
なんと言っても光政を演じる梅玉の口跡が素晴らしい。日頃かわいがっている家臣の善左を助けてやろうとしているのに、小生意気に向かってくる善左を掌で転がすように理屈でへこませる様子が傑作。権威を笠に着るのではなく、善左衛門と正面から向き合いながら、青二才のおまえなぞに本心など探られてたまるものか、という自負心がみなぎる。同じ殿様でも綱豊卿とは違う、ざっくばらんな物言いもおかしみがあり、人を食ったような理屈にも最後は善左ともども煙に巻かれたような気分だがなんとなく言いくるめられた気になってしまう。梅玉さん、すごいわ。

対する善左は亀三郎。こんなに台詞の多い役初めてではないだろうか。日頃から声のいい人なので、あの美声で台詞がたくさん聞けて幸せ。もちろん感情表現もよく練られて、こんなに芝居のうまい人だったかと改めて感心。一本気で、かなりめんどくさい性格の善左を好演。

團蔵の権左衛門が殿様の側近で狸親父のようなとぼけた味を見せる。
松江が善左のいとこで、善左を案じる様子に心情がこもる。

二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
渡海屋
大物浦

渡海屋銀平実は新中納言知盛 = 片岡仁左衛門(15代目)
女房お柳実は典侍の局 = 中村時蔵(5代目)
相模五郎 = 坂東巳之助(2代目)
銀平娘お安実は安徳帝 = 市川右近(2代目)
入江丹蔵 = 市川猿弥(2代目)
武蔵坊弁慶 = 坂東彌十郎(初代)
源義経 = 中村梅玉(4代目)

仁左衛門は銀平の出から颯爽として文句なしにかっこいい。衣装を改めての知盛は神々しいばかりの高貴さ。手負いとなっての再度の出では深手を負った凄惨な姿で、義経一行へのすさまじいまでの恨みと、ひたすら帝大事の一念を見せる。帝に諭され、局も自害し、心も折れての述懐が悲痛で、最後の「昨日の敵は今日の味方」の後の笑いが、これですべてが終わるのだという諦念と、戦い疲れた自分の一生を振り返る寂しさにあふれて胸を刺す。美しくて気高い知盛。

時蔵はお柳ではさっぱりとした世話女房の風情。局と改まってからは高貴な様子と帝への敬愛を見せて、凜として美しい。
義経の梅玉も御大将の凜々しさと気高さを見せる。やはり梅玉さんの義経は当代一。

三、神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり)
荷持どんつく = 坂東巳之助(2代目)
親方鶴太夫 = 尾上松緑(4代目)
若旦那 = 市川海老蔵(11代目)
太鼓打 = 坂東亀寿(初代)
町娘 = 坂東新悟(初代)
子守 = 尾上右近(2代目)
太鼓持 = 坂東秀調(5代目)
太鼓持 = 坂東彌十郎(初代)
田舎侍 = 市川團蔵(9代目)
芸者 = 中村時蔵(5代目)
白酒売 = 中村魁春(2代目)
門礼者 = 坂東彦三郎(8代目)
大工 = 尾上菊五郎(7代目)

三津五郎さんの三回忌追善。もう二年か。。。
巳之助のどんつくは、まだ堅さもあるが、丁寧に一生懸命なのが良い。これから何度も踊るだろう。見続けていきたい。
松緑の親方がひょうひょうとした様子で、こちらはさすがに踊りも軽やか。曲芸の方はいささか危なっかしいがご愛敬。
亀寿も交えた三人での踊りが息も合って楽しげ。
周りも追善らしく顔ぶれがそろい、中でも大工の菊五郎がおおらかな味を出して場を和ませ、時蔵の芸者とも色めいた様子を見せて粋。
全員でのどんつくの踊りも楽しい。
三津五郎さん、見てるかなあ。みっくん頑張ってますよ。みんなが応援してますよ。と、楽しいのにホロリとなった。
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暁斎展 [美術]

Bunkamuraザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/

「ゴールドマン・コレクション これぞ暁斎!」

イギリス人のゴールドマン氏の世界でも有数の暁斎コレクションの展覧会。
河鍋暁斎(1831~1889)は江戸末期から明治にかけて活躍した。浮世絵を国芳に、また狩野派にも師事したという経歴からか、ジャンルにこだわらない多岐にわたる絵を描いた。
ゴールドマン氏の最初の暁斎との出会いは動物の絵だったそう。そのせいか、コレクションにも動物の絵が多い。

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「象とたぬき」明治3年
ゴールドマン・コレクションのはじめの一枚。早い筆致で描かれたにもかかわらず象とたぬきの特徴が捉えられて、なんともユーモラス。

明治14年の第2回内国勧業博覧会に出品した鴉の絵が賞を受け、一躍名をあげた暁斎に、似た作品の注文が大量に来たそう。。

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「枯れ木に夜鴉」
これもその一枚で、賞を受けた作品に構図がよく似ているそう。

暁斎の魅力は、本格な絵からパロディのような漫画みたいな絵まで、本当に様々な絵を描いていることだと思う。

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「動物の曲芸」
鳥獣戯画の明治版かというような、猫やネズミやコウモリまでが様々な曲芸を披露する。ほんとに楽しい。

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「地獄太夫と一休」
こちらはガラッと変わって、本格的な肉筆浮世絵画。太夫の衣装も丹念に描き込まれ、踊る骸骨も精緻な描写。

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「龍頭観音」
これも狩野派で学んだ技量を発揮した、端正な絵。もしこういう絵だけを描き続けて極めていたら、また違う名声もあったかも、と考えてしまうが、この振れ幅の広さこそが暁斎の面白さなのだとも思う。

もちろん、暁斎と言えば、な妖怪変化の絵もあり、春画もあり、幽霊画もあり、と盛りだくさん。これが外国人のコレクションというのがうれしいような悔しいような。

画鬼暁斎とも言われた人生は、北斎にも似通った感じもある。残念ながら北斎ほど長生きはしなかったが。幕末から明治という、変化の激しい時代の波にもまれながらも新しいことを貪欲に取り込んで絵を描き続けた暁斎。必見の展覧会。
まあとにかく楽しいです。
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足跡姫 [舞台]

3月8日(水) 東京芸術劇場プレイハウス

NODA・MAP 足跡姫~時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)~
作・演出/野田秀樹

出演
宮沢りえ 妻夫木聡 古田新太 佐藤隆太 鈴木杏 池谷のぶえ 中村扇雀 野田秀樹 他


美術/堀尾幸男  照明/服部基 衣裳/ひびのこづえ
作調/田中傳左衛門 サウンドデザイン/原摩利彦 音響/zAk
振付/井手茂太 映像/奥秀太郎 美粧/柘植伊佐夫 舞台監督/瀬﨑将孝

野田秀樹が、十八代目勘三郎へのオマージュとして書いた芝居。
普段ストレートプレイを見ない私には、この作品について語る力はない。
観る前はもっと難解なのかと思ったけど、ギャグもあり、楽しかった。
主人公は宮沢りえの”三、四代目阿国”と、妻夫木聡のその弟で戯作者”サルワカ”。
将軍の前で演じることを望む阿国と創作の苦しみにもがくサルワカに、一座の者達や得体の知れない人々が絡み合い、さらに取り締まろうとする役人達との悶着が騒動をもたらす。
演じること、芝居を作ることに取り憑かれた者の業とでも言うのか。乗り移った足跡姫を葬るために自ら死を選ぶ阿国を抱いて「穴」に飛び込んだサルワカがたどり着くのが現代の歌舞伎座。
そう、阿国もサルワカも、現代につながっている。すべての演じることに執着する者に魂が受け継がれている。
阿国の遺体を抱いたサルワカの絶叫。「幕を閉めろ、そうすればまた生き返るんだ」という言葉に、もっともっと舞台の上で死んでは生き返りたかったであろうあの人達を思って涙があふれた。

宮沢りえちゃん、実は生の舞台を観たのは初めて。ほっそ~い!そしてテレビなど映像では聞けない発声が、へえこんな声が出せる人なんだ、とちょっとびっくり。や、舞台女優なんだね。
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KAAT竹本駒之助公演 [舞台]

3月6日(月) KAAT神奈川芸術劇場中スタジオ
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女義太夫の人間国宝、竹本駒之助さんの公演。
今回は一谷嫰軍記の「熊谷陣屋の段」を一段丸々語るという。近頃は文楽の太夫でも一段語る人はいない。それを80歳を過ぎた女性が語るというのだから恐れ入る。
相三味線は鶴澤津賀寿さん。

文楽と違って、女義は人形はつかず素浄瑠璃が基本。観客と正面から向かい合う真っ向勝負。
男の太夫を聞き慣れてる耳には、女義ってどうなんだろう、という不安はすぐに払拭される。もちろん、音量という意味では男性に劣るかもしれないが、気迫とか、力強さとかで引けを取る気は全くしない。それどころか、語り口の丁寧さ、登場人物の語り分けの的確さ細やかさが、物語をくっきりと浮かび上がらせる。女性なんだから相模や藤の方がいいだろうと予想していたが、むしろ義経や弥陀六が眼前に現れるようだった。
熊谷の眼目の台詞「十六年はひと昔」はさらりと聞かせ、その後の「ほろりと流す涙の露」にぐぐっと情がこもったのに胸が熱くなった。

最後まで調子が衰えないどころか、後半にかけてどんどんのってくるようで、圧倒された。
はあ、ええもん聞かせてもらいました。こちらの寿命が延びた気がする。どうぞいつまでもお元気でまた聞かせていただきたい。
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ジャン=ギアン・ケラス&アレクサンドル・メルニコフ演奏会 [音楽]

3月2日 王子ホール
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ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)

オール・ベートーヴェン・プログラムの第一夜。
モーツァルト『魔笛』の「娘か女か」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66
チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 Op.5-1
********** 休憩 **********
モーツァルト『魔笛』の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO46
チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 Op.5-2

アンコール
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調 より 第1楽章
ヴェーベルン:3つの小品 Op.11

なんだかんだ毎年のように聞いているケラス。今回はメルニコフとのベートーヴェン。すでにこのコンビでCDも出ていて、待望のリサイタル。
相変わらず、ケラスのチェロは端正で緻密でシャープ。重厚長大とは正反対。どこか自由な空気をまとっているようで、いつ聞いても新鮮。とはいえ、そういう彼の特性がベートーヴェンと相性が良いかというと、どうなんだろう。少なくとも私の好きなタイプのベートーヴェンではないかも。まあそれはCDを聞いたときから感じていたけど。趣味の問題だけど。
第一夜のプログラムは、ベートーヴェン初期の作品なので、ピアノの比重が大きい。わりとバリバリ鳴らすメルニコフのピアノがホールのせいかちょっとうるさく感じられるところもあったりしたけど、最後の第2番など終わりに向かってだんだん熱を帯びてきて圧巻。

でも、アンコールのドビュッシーとウェーベルンを聞いたら、ああやっぱりケラスは20世紀の音楽が向いてるなあ、と激しく感じてしまった。思えば、最初にケラスをすごいと思ったのはバルトークだったものね。

そろそろ、アルカント・カルテットの新作も聞きたい。ますますの活躍を期待。
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宝塚月組公演 [舞台]

2月28日(火) 東京宝塚劇場
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「グランド・ホテル」
「カルーセル輪舞曲」

(まともな感想ではないです)

10何年ぶりの宝塚観劇。去年見たミュージカル「グランド・ホテル」を宝塚でも再演すると聞いて、なんとしても見たくなって、ヅカファンのお友達にお願いしてチケットを取ってもらった。
久しぶりすぎて、初めてと同じ気分。
当然、出てる人は知らない人ばかり。
わー、でもやっぱり皆さん素敵。

「グランド・ホテル」の方は、前回の宝塚初演ではオットーとフラムシェンをトップコンビが演じたのに対し、今回はトップお披露目の玉城りょうさんと愛希 れいかさんが男爵とエリザヴェータをやったので、多少印象が違ったかな。
玉城さん、少し陰のある男爵がお似合い。愛希さんが大人の女の可愛らしさ。
個人的に目が止まったのはオットーを演じた美弥 るりか さん。宝塚としては異色の性格俳優的な役をしっかりこなして、また歌声が初演の涼風さんに感じが似ていて。

この作品は宝塚向きとは思えなくて、だからもう再演はないのかと思っていたので、正直今回再演されたのも意外だった。でも本当に素晴らしい作品なので、劇団にとってチャレンジングであっても財産だと思うのでまたやると良いなあと思う。

ショー「カルーセル輪舞曲」の方は、これぞ宝塚!という華やかで楽しいショー。ドラマが重かったのでバランスがとれて良かったと思う。
何しろ、ドラマと違って誰が誰だかわからないので(苦笑)、デュエットダンス素敵!男役さん達の黒燕尾の群舞最高!と、ただただうっとりと眺めている間に、あっという間に大階段。羽背負って降りてくるのは全く変わってないのね~。

またはまる気はないけど、宝塚はやっぱり夢の世界ね。と改めて感激。
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日本画の教科書 東京編 [美術]

山種美術館
http://www.yamatane-museum.jp/exh/2017/nihonga.html

先月の京都編に続いての東京編。こちらもそうそうたる顔ぶれが並ぶ。

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菱田春草《月四題》のうち「秋」1909~10年
朦朧態に取り組んでいた頃だろうか。ほとんど水墨画のよう。薄墨に浮かび上がる月が美しい。

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下村観山《老松白藤》1921年
応挙の籐花図を彷彿とさせる琳派の流れをくんだような美しい絵。大正時代でもまだこういう江戸の香りがする絵が描かれていたんだなあ。

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安田靫彦《出陣の舞》1970年
信長を描いたもの。歴史画を得意とした靫彦らしい端正な一枚。

この他、大観、玉堂、御舟、古径、土牛、魁夷、、、あげていったらきりがない。名画がずらずら。教科書というのも誇張ではない。ほんとに至福の展覧会。まあとにかく見てください。必見です。

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ティツィアーノとヴェネツィア派展 [美術]

東京都美術館
http://titian2017.jp/

なんか、去年も同じような趣旨の展覧会があったばかりだけど。。。
ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠ティツィアーノとその同時代、後継者達の作品を集めた展覧会。

ティツィアーノがメインのはずだけど、数はそれほど多くない。
第1章ではティツィアーノより少し上の世代の絵が並ぶ。聖母子像が特に多かったのだが、面白かったのは同時期にフィレンツェの画家の聖母子像よりリアルというかあまり美化されていない感じ。

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ジョヴァンニ・ベッリーニ《聖母子(フリッツォーニの聖母)》1470年

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ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《フローラ》1515年頃
初期の作品。肌のきめの美しさ、輝く髪、写実的な衣装。隅々まで丁寧に描かれた優美な絵。

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ヤコポ・ティントレット《レダと白鳥》1551年頃
ティツィアーノと並んでヴェネツィア派を代表するティントレット。もはやバロックに近い。

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ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《マグダラのマリア》1567年
上の「フローラ」より50年くらい後。明暗が強調され、マリアは美しいがリアリズムも増している感じ。

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パオロ・ヴェロネーゼ《聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ》1562年
もう一人のヴェネツィア派の代表。ティツィアーノやティントレットに比べると色数が少ないように見えるが光沢の表現が素晴らしい。個人的にはヴェネツィア派ではヴェロネーゼが一番好き。

去年ヴェネツィア派展があったばかりだから、正直また?という感じはあるけれど、見応え十分。
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加山又造展 [美術]

日本橋高島屋
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/kayama.html

生誕90年記念展。初めてまとめて加山又造の絵を見たのは、8年ほど前の回顧展。日本画家に詳しくないので、その時初めて名前もちゃんと知ったのだと思うが、かなり強烈な印象が残った。
今回はそのときよりは規模は小さいが、初期から晩年まで、また絵画だけでなく工芸作品もあり、充実した展示内容。

初期は結構シュールレアリスムっぽい動物の絵が並ぶ。足が何本もあるシマウマとか。解説によれば一枚の絵の中で動きを表しているのだとか。ああなるほど。
また、猫がお好きだったらしく、もふもふした猫の絵も。

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「猫」1980年
漫画チックな顔の表情、カマキリの描写も微笑ましい。

でもやはり加山といえば後期の琳派の流れを現代に生かした数々の作品。あの光琳の紅白梅図をよみがえらせたかのような「紅白梅」や、桜の絵、龍の絵に圧倒される。

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「淡月」(部分)1996年
桜と月という伝統的な題材に真正面から取り組んだ作品。ため息の出る美しさ。

工芸品では、絵付けをした器や、染めの着物などが並ぶ。着物のうちの子供の祝い着はお孫さんのためのものだそうで、それは美しい着物で愛情がこもってるなあ、と。

小品では天井画の原画という「四季草花図」も素敵。梅や牡丹、菖蒲に薔薇。丹念に描かれた一枚一枚に心惹かれる。

巡回展あり。
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