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ソール・ライター展 [美術]

Bunkamuraザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_saulleiter/
1923年生まれのアメリカ人写真家、ソール・ライターの個展。
写真に詳しくないので、この人の名前も今回初めて知った。
はじめは画家を志したが20代に移り住んだニューヨークで写真を始め、30~40代ファッション誌で作品を発表。しかし50代後半には商業写真用のスタジオを閉じ,自分の周辺の写真だけを撮る生活に入っていった。
それが70を過ぎて,写真感材メーカーの資金援助を受けて,未現像のカラー写真が世に出、個展も開かれて再び注目を浴びるようになり、80代で出版された写真集が大きな評判を呼び、パリでの展覧会も大成功を収める。
しかし本人は隠遁生活を好み、成功にも無頓着だったらしい。
そういう彼の人生はドキュメンタリー映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」にもなったとのことだが、見ていないので残念。

展示はまず初期のモノクロ写真から。さらにファッション写真。どれも、スタジオではなく外で撮られたもので、しかもモデルが鏡や窓ガラスに映ったりした,おそらく当時としては斬新なアングル。でも今見てもとても素敵。あえてカメラ目線でなく、モデルがふと素に戻った瞬間を撮っていたり、その後のすべての写真についても言えるのだが、とにかく一瞬を切り取る目が素晴らしい。

カラー写真のほとんどは屋外で、モデルではなく偶然の通行人が写ったもの。でも人はあくまで点景といった感じで,車の窓越しだったり、傘から見える足だけだったり、とにかくアングルが絶妙。もちろん、色彩も。どこにでもある光景で、でも誰にでも撮れるものではない、瞬間を捉えるセンスが素晴らしい。

Saul-Leiter_20161220_01.jpg
「雪」(1960年)

画家を目指していたライターは、”ニューヨークのナビ派”と呼ばれるように,ボナールやヴュイヤールなどのナビ派の絵画、また日本の浮世絵に傾倒していたと言うが、写真を見てもそれがよくわかる。構図がとても似ている。
Saul-Leiter_20161220_02.jpg
「足跡」(1950年頃)

写真だけでなく絵画作品も出展されていたが、これも色使いが美しいひそやかな味わいの絵が並んでいた。
私は写真のことは無知だけれど、とても素敵な写真ばかりだと思って楽しめた。おすすめです。
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