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雪村展 [美術]

東京藝大美術館
http://sesson2017.jp/index.html

雪村は15世紀末に常陸国で生まれ、東国で生きた戦国時代の画家。実力の割に知名度が低いのは関東にいたからで、当時の中央だった京などにいればもっと高い評価を得ていただろうとのこと。私などは無知で、雪舟の弟子とか子孫とかなのかと思ってたくらい。すみません。
知名度が低いと言ったけど、それは一般の話で、あの尾形光琳なども雪村の絵を模写したり、インスピレーションを得た絵を描いていたり、明治以降でも橋本雅邦や、狩野芳崖なども模写をするなど、後世まで影響を与えている。
若冲、蕭白などいわゆる「奇想の画家」の元祖のようにも言われているらしい。

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呂洞賓図(りょどうひんず)
チラシ、ポスターにもなっているこれなど「奇想」と呼ばれる所以か。波風渦巻く中に龍の頭の上に立つ仙人。異様なポーズ、表情。なんともインパクトの強い絵だ。なぜか手指の毛まで描き込まれてある。雷鳴と龍の鳴き声が聞こえてきそう。足下の波の描写も不思議。

でもこういう「変な」絵ばかりでなく、伝統に則った風景画山水画もある。

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金山寺図屏風
茫洋とした背景と、精緻に描き込まれた寺の建物。よく見るとどういう地形なのかよくわからない。この建物のそこかしこに人物が描き込まれているのが楽しい。
他の山水画でもほとんどに人がいる。荷を負って歩いていたり、釣りをしていたり、人と語らっていたり。そういう人物が絵に生命力を吹き込むように見える。

そう、雪村の絵は、まなざしが温かい。人間にしろ、動物にしろ、雪村の優しさを感じる。

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猿猴図
猿がカニを捕らえようとしている。後ろでは猿の仲間達が声援を送っている。いわば猿蟹合戦。なんともユーモラスで楽しい。

どの絵も確かな技術と、柔軟な心で描かれたのが感じられる。とてもすがすがしく、面白く楽しい。

雪村の絵以外にも、影響を受けた光琳や、明治の画家の模写や作品も展示されて、脈々と受け継がれた雪村スピリットのようなものが見えて、それも楽しい。

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エルミタージュ美術館展 [美術]

森アーツセンターギャラリー
http://hermitage2017.jp/
大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち

エルミタージュ美術館の膨大なコレクションから、「オールドマスター」と言うことでルネサンスからバロック絵画を中心にした展覧会。特にエルミタージュの創設者といえるエカテリーナ女帝の生存中に購入された絵画にポイントを置いている。エカテリーナ自身の趣味も反映されているだろう。

展示は国・地域別。

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ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像》
イタリアからはティツィアーノ。残念ながらラファエロやボッティチェルリなどフィレンツェ絵画はなし。
よく考えると不思議なファッション。男装という説も。モデルもティツィアーノの愛人だったという説もある。ごく私的な絵だったのかも。

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レンブラント《運命を悟るハマン》
オランダ。エルミタージュにはレンブラントの充実したコレクションがあって、1枚じゃ物足りない。もっと見せて~、と思ってしまう。これもレンブラントらしい人物の心理描写が絶妙。派手な色使いはないが心に残る。

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ピーテル・ブリューゲル(2世)(?)《スケートをする人たちと鳥罠のある冬景色》
フランドルもバロック美術の宝庫。庶民の生活を描いたブリューゲルの逸品。寒々とした景色の中でスケートをしたりする人々が生き生きと描かれる。フランドル絵画はこういう風俗画がいい絵が多い。

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スルバラン《聖母マリアの少女時代》
スペイン。残念ながら、ベラスケスやエル・グレコなどはなし。
聖母マリアの幼い頃と言うことで、神聖さよりも少女の愛らしさが強く感じられる。スペイン絵画は、スルバランの同時代のムリリョなども、聖母子や天使が愛らしくて好き。

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ヴァトー《困った申し出》
フランスからはロココの創始者ヴァトー。フェート・ギャラント(優雅な宴)と言う、上流階級の男女の優雅な姿を描いたジャンルで名を馳せた。

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ゲインズバラ《青い服を着た婦人の肖像》
最後はドイツとイギリスをまとめて。クラナハもあったが、このゲインズバラも素敵。
現物を間近でよく見ると、衣装の白いところなど早い筆致でささっと描いてあって、後の印象派の先駆けのよう。100年早い。ヘアスタイルもインパクト大。

さすがエルミタージュ、名品をいっぱい持ってるなあ、と感心しながら拝見。(いや、ほんとはもっとすごいのいっぱいあるはず、とも思いながら。)前にも見たことがある作品もあったけど、やはり巨匠の作品は見応えあり。
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渡辺省亭展 [美術]

加島美術

渡辺省亭(1852~1918)は明治時代に活躍した日本画家。来年2018年が100回忌に当たるのを記念して初の回顧展だそう。
フランスに渡ってドガら印象派の画家達とも交流があったり、フェノロサや天心にも認められていたが、画壇に属さず弟子も取らず、孤高の画家だったためか今はそれほど知名度が高くない。

私も、山種などの展覧会で見たことはある気がするが、それほど気にとめていなかったが、今回初めてまとめてちゃんと見て、とても素敵だと思った。

ほとんどが花鳥画。
どれも水彩画のような淡い色彩のグラデーションが美しい。

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牡丹に蝶図(部分)
この牡丹の花の表現が素晴らしい。たらしこみのような微妙なぼかしが繊細でため息がでる。

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桜のつばめ(部分)
丁寧に写実的に描き込まれた部分と、早い筆致でささっと描かれた部分の対比も目を引く。

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秋鶏冬鷺図(部分)
これなど、一見とてもあっさり描かれているようで、でもちゃんと鷺の姿が写し取られていて、寒々とした背景から冷気が伝わってくる。

美術館ではなく、ギャラリーでの展示会なので出品数は30点ほどだがどれも本当に素晴らしい。

抱一などの琳派の系統に連なるようで、もっと新しい。印象派と交流があったというのも影響があるのか、どこかしら洋風な印象も受ける。特に花の絵がそれはそれは美しくてうっとり。また、鳥の絵も多いがその目がどれも愛らしい。フクロウや鷹などでさえきょろりとした目つきで可愛い。きっと省亭は鳥好きだったんだろうな。

肉筆画の他に、七宝工芸家の濤川惣助とともに無線七宝を編み出し、迎賓館赤坂離宮「花鳥の間」には現在でもその七宝作品が飾られているとか。これも見たい。

生前はかなり活躍して賞も受けたりしたのに、現在省亭の作品があまり見られないのは、海外で人気が高く多くが外国にあるというのも一つの理由だそう。

この展覧会と平行して、都内各所の美術館や博物館でも所蔵する省亭の作品を展示する連動企画が行われているそう。機会があればそちらも見たい。
詳しくはHPで。http://www.watanabeseitei.org/

加島美術での展示は4月9日(日)まで。お急ぎ下さい。http://www.kashima-arts.co.jp/

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茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術 [美術]

東京国立近代美術館
http://raku2016-17.jp/index.html

桃山時代、千利休のために茶碗を焼いた初代長治郎に始まる楽家の15代にわたる歴史をたどる展覧会。
中でも利休も使ったかもしれない初代の茶碗が7つも出品されるのが目玉。

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長治郎 黒樂茶碗 銘 大黒
黒楽の代名詞ともいえそうな、どっしりとした重みと黒々とした色の茶碗。

楽焼は常々難しいと思っていて、禅に通じる精神性のようなものが作品に映されている気がして構えてしまう。素人には名作と駄作の区別がつかない。ただ、ホウホウ、こういうのがあるのかと観るばかり。

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三代 道入 赤樂茶碗 僧正 
赤楽。白泥で色紙のような文様を描き、透明釉が掛けられている。初代の茶碗に比べると装飾的。

ただ初代から450年の歴史を見ていくと、あくまで道具であった茶碗が、今では良くも悪くも芸術作品になったと感じた。当代の作品がいちばんたくさんあったのだが、その芸術的価値はさておき、これで茶を点てようと思うかな、と思ってしまった。

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十五代 吉左衛門 焼貫黒樂茶碗 女媧

少なくとも江戸時代までの茶碗は抹茶を入れたらさぞ美しいだろうと思うが、当代のははなから鑑賞用に見えて、あれで茶を点てる気にはなれないし、おいしそうに見えないと思うんだ。全くの素人考えだけど。

発見は、赤、黒の他に白楽というのもあったこと。へえ、白い楽焼!とちょっとびっくり。あと、茶碗以外に香炉とか獅子像などもあって意外だった。いや自分が知らなかっただけだけど。

それにしても楽家、光琳乾山の尾形家と縁戚とか、光悦とも交流があるとか、(乾山と光悦の作品も展示あり)、うわ~京都やわ~、せまいんやな~、とか思いましたわ。

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古唐津展 [美術]

出光美術館

(すでに終了)
すぐ近くの有田焼や鍋島の華やかさと違って、唐津焼は色味も少なく地味な印象。ほとんどが「枇杷色」と表現される薄い茶色に濃い茶色であっさりとした絵付け。う~ん、渋い。

でもこうしてまとめて見ていくと、その滋味あふれる器が、人に寄り添い、暮らしをさりげなく彩るもののような気がして愛おしいと思う。

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絵唐津草紋壺 重要文化財
唐津と言えばこういうの。と言う代表的な色柄。ぼってりとした形、あっさりと描かれた草模様。なんだかほっこりする。

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奥高麗茶碗 銘秋夜
何の変哲もない、と言ったら怒られそうだが、ほんとに「作為」が全く感じられない。でもほんのり漂う品が美しい。

唐津焼のルーツは朝鮮で、同時代の志野や織部の影響も柔軟に受けて発達したのだそう。そう言われてみれば、志野と色合いが似たものや、片身代わりの織部風のものなどもあった。

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朝鮮唐津耳付水指
これなどは、古唐津のイメージを破るもの。白や黒の釉薬をたたきつけるように回しかけた様はまるでモダンアートのような激しさで上の草紋壺などとはえらい違い。

観る前は地味で面白くないかも、と思っていたが、案外に面白かった。焼き物って奥が深いわ。
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暁斎展 [美術]

Bunkamuraザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/

「ゴールドマン・コレクション これぞ暁斎!」

イギリス人のゴールドマン氏の世界でも有数の暁斎コレクションの展覧会。
河鍋暁斎(1831~1889)は江戸末期から明治にかけて活躍した。浮世絵を国芳に、また狩野派にも師事したという経歴からか、ジャンルにこだわらない多岐にわたる絵を描いた。
ゴールドマン氏の最初の暁斎との出会いは動物の絵だったそう。そのせいか、コレクションにも動物の絵が多い。

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「象とたぬき」明治3年
ゴールドマン・コレクションのはじめの一枚。早い筆致で描かれたにもかかわらず象とたぬきの特徴が捉えられて、なんともユーモラス。

明治14年の第2回内国勧業博覧会に出品した鴉の絵が賞を受け、一躍名をあげた暁斎に、似た作品の注文が大量に来たそう。。

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「枯れ木に夜鴉」
これもその一枚で、賞を受けた作品に構図がよく似ているそう。

暁斎の魅力は、本格な絵からパロディのような漫画みたいな絵まで、本当に様々な絵を描いていることだと思う。

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「動物の曲芸」
鳥獣戯画の明治版かというような、猫やネズミやコウモリまでが様々な曲芸を披露する。ほんとに楽しい。

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「地獄太夫と一休」
こちらはガラッと変わって、本格的な肉筆浮世絵画。太夫の衣装も丹念に描き込まれ、踊る骸骨も精緻な描写。

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「龍頭観音」
これも狩野派で学んだ技量を発揮した、端正な絵。もしこういう絵だけを描き続けて極めていたら、また違う名声もあったかも、と考えてしまうが、この振れ幅の広さこそが暁斎の面白さなのだとも思う。

もちろん、暁斎と言えば、な妖怪変化の絵もあり、春画もあり、幽霊画もあり、と盛りだくさん。これが外国人のコレクションというのがうれしいような悔しいような。

画鬼暁斎とも言われた人生は、北斎にも似通った感じもある。残念ながら北斎ほど長生きはしなかったが。幕末から明治という、変化の激しい時代の波にもまれながらも新しいことを貪欲に取り込んで絵を描き続けた暁斎。必見の展覧会。
まあとにかく楽しいです。
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日本画の教科書 東京編 [美術]

山種美術館
http://www.yamatane-museum.jp/exh/2017/nihonga.html

先月の京都編に続いての東京編。こちらもそうそうたる顔ぶれが並ぶ。

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菱田春草《月四題》のうち「秋」1909~10年
朦朧態に取り組んでいた頃だろうか。ほとんど水墨画のよう。薄墨に浮かび上がる月が美しい。

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下村観山《老松白藤》1921年
応挙の籐花図を彷彿とさせる琳派の流れをくんだような美しい絵。大正時代でもまだこういう江戸の香りがする絵が描かれていたんだなあ。

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安田靫彦《出陣の舞》1970年
信長を描いたもの。歴史画を得意とした靫彦らしい端正な一枚。

この他、大観、玉堂、御舟、古径、土牛、魁夷、、、あげていったらきりがない。名画がずらずら。教科書というのも誇張ではない。ほんとに至福の展覧会。まあとにかく見てください。必見です。

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ティツィアーノとヴェネツィア派展 [美術]

東京都美術館
http://titian2017.jp/

なんか、去年も同じような趣旨の展覧会があったばかりだけど。。。
ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠ティツィアーノとその同時代、後継者達の作品を集めた展覧会。

ティツィアーノがメインのはずだけど、数はそれほど多くない。
第1章ではティツィアーノより少し上の世代の絵が並ぶ。聖母子像が特に多かったのだが、面白かったのは同時期にフィレンツェの画家の聖母子像よりリアルというかあまり美化されていない感じ。

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ジョヴァンニ・ベッリーニ《聖母子(フリッツォーニの聖母)》1470年

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ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《フローラ》1515年頃
初期の作品。肌のきめの美しさ、輝く髪、写実的な衣装。隅々まで丁寧に描かれた優美な絵。

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ヤコポ・ティントレット《レダと白鳥》1551年頃
ティツィアーノと並んでヴェネツィア派を代表するティントレット。もはやバロックに近い。

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ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《マグダラのマリア》1567年
上の「フローラ」より50年くらい後。明暗が強調され、マリアは美しいがリアリズムも増している感じ。

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パオロ・ヴェロネーゼ《聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ》1562年
もう一人のヴェネツィア派の代表。ティツィアーノやティントレットに比べると色数が少ないように見えるが光沢の表現が素晴らしい。個人的にはヴェネツィア派ではヴェロネーゼが一番好き。

去年ヴェネツィア派展があったばかりだから、正直また?という感じはあるけれど、見応え十分。
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加山又造展 [美術]

日本橋高島屋
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/kayama.html

生誕90年記念展。初めてまとめて加山又造の絵を見たのは、8年ほど前の回顧展。日本画家に詳しくないので、その時初めて名前もちゃんと知ったのだと思うが、かなり強烈な印象が残った。
今回はそのときよりは規模は小さいが、初期から晩年まで、また絵画だけでなく工芸作品もあり、充実した展示内容。

初期は結構シュールレアリスムっぽい動物の絵が並ぶ。足が何本もあるシマウマとか。解説によれば一枚の絵の中で動きを表しているのだとか。ああなるほど。
また、猫がお好きだったらしく、もふもふした猫の絵も。

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「猫」1980年
漫画チックな顔の表情、カマキリの描写も微笑ましい。

でもやはり加山といえば後期の琳派の流れを現代に生かした数々の作品。あの光琳の紅白梅図をよみがえらせたかのような「紅白梅」や、桜の絵、龍の絵に圧倒される。

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「淡月」(部分)1996年
桜と月という伝統的な題材に真正面から取り組んだ作品。ため息の出る美しさ。

工芸品では、絵付けをした器や、染めの着物などが並ぶ。着物のうちの子供の祝い着はお孫さんのためのものだそうで、それは美しい着物で愛情がこもってるなあ、と。

小品では天井画の原画という「四季草花図」も素敵。梅や牡丹、菖蒲に薔薇。丹念に描かれた一枚一枚に心惹かれる。

巡回展あり。
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マティスとルオー展 [美術]

パナソニック汐留ミュージアム
http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/17/170114/index.html
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マティスとルオーが、国立美術学校でモローの下で一緒に学んだ、なんて美術好きにはたまらない。全く画風の異なる二人だが、二人の友情は終生続き、多くの書簡が残されている。
この展覧会では、二人の絵と、交わされた手紙を並べて、二人の人生のエポックをたどっていく。

展示はほぼ年代順で、学校時代の珍しい作品もあり、興味深いが、若い頃からマティスはマティス、ルオーはルオーの個性がはっきりわかる。

また第一次世界大戦を機にマティスは南仏に拠点を移し、ルオーはパリに留まるも二人の交流は続く様子が手紙で読み取れる。あるときは励まし合い、あるときは作品の感想を述べ合う。率直な言葉が親しさを示している。

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マティス『ラ・フランス』1939年
第二次世界大戦中に描かれた作品。女性の衣装の色はフランス国旗の色。祖国の誇りを女性像に託した作品。

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ルオー『聖ジャンヌ・ダルク「古い町外れ」』1951年
これは描かれたのは戦後だけど、ジャンヌ・ダルクもやはりフランスを擬人化したといえるのでは。ルオーらしい厚塗りの絵の具と黒い線が美しい色合いに映える。

この他、ルオーの版画集『気晴らし』全作品や、マティスの版画集「ジャズ」、戦時中に二人が取り組んだ雑誌『ヴェルヴ』の表紙絵なども必見。

マティス、ルオーともに単独の展覧会はよくあるが、こうして二人の交流を俯瞰できるのは貴重な機会。

19世紀末から、二つの大戦を超えて二人がたどった困難な時代も見える。その中でも変わらず続いた友情が展示された手紙から読み取れる。
なんとなく、画家というのは孤独な印象があって、特に同業者とはあまり仲良くしないような勝手な思い込みがあった。そんなこともないんだなあ、というのが今回の発見。

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