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ターナー展 [美術]

損保ジャパン日本興亜美術館
https://turner2018.com/
(既に終了)
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イギリスの風景画家ターナー(1775~1851)の展覧会。
印象派の先駆けとも言われるターナーの風景画は初期の写実的なものから、晩年の水気と空気が混然となったものまで実に魅力的。穏やかな光景もあれば、荒れ狂う波に翻弄される船を描いた迫力ある海景画、実際の景色もあれば、古代ローマなどの理想郷を描いたものも。

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《風下側の海岸にいる漁師たち、時化模様》
1802年展示
ターナーはこの時代の画家にしては海の絵が多い気がする。それも美しい風景としての海でなく、何か物語がある絵。こういう荒れる海と不吉な空模様のアンサンブルは迫力いっぱい。

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《ストーンヘンジ、ウィルトシャー》
1827~28年
ターナーの絵というと、なぜかこの絵のような黄色っぽいのを思い出す。山の色であったり、雲や大気の色であったり。正確には黄色じゃない、でもゴールドでもない、不思議な色。そしてこの絵は水彩画。ターナーは水彩画の名手でもあった。

初期から晩年まで、ほぼ風景画ばかり。その中にも海あり山あり、イギリスの風景もあればヨーロッパのもの、歴史画風のもの、といろいろあって、でも若いときから既にターナーらしさは確立されていて。風景を描きつつ空気も描いたとでも言おうか。ある意味、後の印象派よりも印象派っぽい絵もあったりして、ああターナー好きだわ、と改めて思った。

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六月大歌舞伎 夜の部 [舞台]

歌舞伎座

一、夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
鳥居前
三婦内
長町裏

団七九郎兵衛  吉右衛門
お辰      雀右衛門
一寸徳兵衛   錦之助
お梶      菊之助
下剃三吉    松江
玉島磯之丞   種之助
傾城琴浦    米吉
団七伜市松   寺嶋和史
大鳥佐賀右衛門  吉之丞
三河屋義平次  橘三郎
堤藤内     桂三
釣船三婦    歌六
おつぎ     東蔵

なんで今また団七をやるんだ。孫と一緒に舞台に出たいだけだろ~(笑)なんてみんな言ってて、私も演目聞いたときは、は~(?)、と思ったけど。
はじめの鳥居前は錦之助との立ち回りもあるが、やっぱり最後の和史君が出てきてからのデレデレぶりが微笑ましく、(ほとんど素でやってるだろ!)ってつっこみたくなる。いや、可愛いんですけどね。

だが長町裏で全てが変わる。
舅義平次に追い詰められる苦悩の深さ、思いがけず手にかけてしまってからの覚悟を決めての壮絶な立ち回り、とどめを刺してから、刀や体を洗い、浴衣をやっと着て、犯した罪におののきながら花道を足下もおぼつかないように入っていく姿を覆う深い真っ暗な闇。うなされるように「わっしょい、わっしょい」と口ずさみながら。
歌舞伎という芝居は、得てして人が簡単に殺されてしまうものだけれど、これほどただ一人の殺人が重く苦しく描かれることは少ないのではないか。それも死ぬ方の哀れさではなく、殺した方の悲痛を見せられたことはない。こんなに悲しい長町裏の場は初めて見た。

徳兵衛の錦之助は前回に比べると押し出しも良くなって、吉右衛門の団七と釣り合うとまでは行かないものの、しっかりついて行っていた。
菊之助の女房お梶もすっかり吉右衛門とも馴染んできて、いい世話女房ぶり。
和史君は、まだ上手いも何も、と言う段階だが、とにかくよく頑張りました。

歌六の三婦が出色。年は取ってもまだまだ若い者に引けは取らない血気盛んな、面倒見の良い侠客で、まあ格好いいのなんの。ちゃんと団七や徳兵衛が駆け出しに見える貫禄もあり立派。

雀右衛門のお辰は、月初に見たときはあまりニンじゃないのかな、と思ったが楽日には女侠客らしい粋であだっぽい色気もあるいい女になっていた。
橘三郎の義平次も嫌らしい薄汚い爺で団七でなくても嫌悪感を感じるような男を熱演。吉右衛門に一歩も譲らない、殺しの場の熱闘とでもいおうか、が素晴らしかった。

種之助の磯之丞、アホぼんのふわふわした感じを懸命に出していた。この頃女形もやってる経験が生きてたのかも。
米吉の琴浦は可愛げとはんなりした色気もあってまずまず。三婦内で磯之丞に焼き餅を焼くところには気の強そうな面も見えて良かった。
東蔵のおつぎは、もう少し侠客の女房らしいちゃきちゃきした感じがほしいか。なんか普通の堅気のおかみさんみたいだった。

宇野信夫 作
二、巷談宵宮雨(こうだんよみやのあめ)
深川黒江町寺門前虎鰒の太十宅の場より
深川丸太橋の場まで
龍達   芝翫
虎鰒の太十  松緑
おとら  児太郎
おとま  梅花
薬売勝蔵  橘太郎
徳兵衛   松江
おいち   雀右衛門

十七世勘三郎がしばしば龍達を手がけた芝居だそうで、久しぶりの上演。私も生では初めて見た。
怪談なのだが、前半は芝翫と松緑、雀右衛門のやりとりが掛け合い漫才みたいになって笑わせる。
思うに芝翫の気質が明るくて龍達のドロドロした闇や金銭への執着に怖さがあまり感じられず、殺された後の幽霊でさえ笑いを誘ってしまうのではないか。それも一つのやり方かもしれないが。

松緑はこういう世話物のやくざものはすっかりお手の物で、その日暮らしの遊び人の浅はかさや、根っからの悪人ではないが情の薄い、そのくせ女にはもてる太十を好演。
雀右衛門のおいちも、普段あまりやらない役だが、底辺で暮らす女の疎ましさ、余裕のなさから来る酷薄さなどを見せて、新しい顔を見た気分。
児太郎のおとらがただただ哀れ。
梅花の隣家の女房が世話好きで、でもどこか投げやりな長屋の女房。
橘太郎の薬売りが怪演。よいよいで体の利かない様子がリアルで、本人は全く悪人ではないのに、どこか不気味で、可笑しいのにちょっと怖い。


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浮世絵モダーン展 [美術]

町田市立国際版画美術館
http://hanga-museum.jp/exhibition/index/2018-380

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江戸から明治にかけての浮世絵の流れを汲みながら、新しい感覚や風俗を取り組んで興った「新版画」と言われる、大正から昭和10年代くらいの木版画。
美人画、風景画、花鳥画など、ジャンルとしては江戸時代にもあったものがモダンな衣を纏って目新しくもどこか懐かしい。

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橋口五葉「髪梳ける女」1920年
美人画は、五葉や深水、小早川清ら。ヌードがあったり、洋装の女性像だったり。そうか、江戸時代にヌードはなかったね。

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川瀬巴水「旅みやげ第一集 十和田湖千丈幕」1919年
風景画は巴水の他に吉田博などが、江戸の浮世絵よりはるかに刷りの回数の多い繊細な表現。去年個展でも見た吉田博はやっぱり凄いな。

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小早川清「ダンサー(レヴュー)」1932年
これぞモダーン!斬新で大胆で格好いい。

他にも役者絵や、花鳥画、雑誌の挿絵なども。特に役者絵は名前は知ってるけど、と言う役者のがいろいろあって個人的にも興味深かった。 

西洋に比べて日本は銅版画より木版画が主流。現代はどうなのだろう?多色刷り木版画の温かみと繊細な色使いがたまらない。江戸時代の浮世絵から世界が広がってもどこか懐かしさがある浮世絵モダーンの世界、とても楽しかった。
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ガレも愛したー清朝皇帝のガラス展 [美術]

サントリー美術館
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2018_2/index.html

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中国、清朝時代にガラスが盛んに作られていたなんて知らなかった。紫禁城内に工房が作られ、官製のガラスが多く作られたという。それも実用と言うよりは、装飾用。とてもデコラティブでこれでもかというくらい凝っている。
種類も半透明の色ガラスから、不透明ガラス、何色も使った色合わせガラス、エナメル彩色などなど。ある意味、陶磁器よりもカラフルで装飾過多なものも多かったのではないか。

アールヌーボーのエミール・ガレがこういった清朝ガラスに影響を受けたというのは大きくうなずけること。実際、キャプションを見なかったら、「これはガレの作品?」と思うようなものもたくさんあった。
この展覧会では、ガレが博覧会などで見た可能性のある作品や、ガレ自身の作品も展示してその関係性も見せてくれた。ガレが中国のガラスに学んだとは全く知らなかったので驚きだった。
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宋磁展 [美術]

出光美術館
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中国の宋時代の陶磁器を集めた展覧会。
色絵もあるが、中心は青磁、白磁など単色の釉薬を使った美しいフォルムのもの。シンプルで洗練された形、繊細な彫りなどが優美。

日本の焼き物と比べるに、中国の陶磁器は完璧な形を最上とするように思える。左右対象形、完全円などで、日本の焼き物のような歪みや偶然がもたらす釉薬のたまり、などのものは多分失敗作として破棄されたんだろう。今回展示されたのもどれもそういう「完全なる美」のものばかり。確かに美しいけど、ちょっとつまんない、なんて思ったりもした。

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白磁長頸瓶
シンプルの極み。余計なものをそぎ落として、うっとりするくらい美しい。

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白磁錆花牡丹唐草文瓶
色は地味だが掻き落としによる模様が大ぶりで美しい。

参考出品として朝鮮陶磁の象嵌青磁の壺があったのが嬉しかった。象嵌青磁、大好きなんですよね。
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大名茶人 松平不昧展 [美術]

三井記念美術館

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松江藩主松平不昧は茶人として知られ、茶道具の収集家としても一流の審美眼を持っていたことで知られる。その没後200年を記念しての展覧会。
古くからの名器を収集するだけでなく、自らの好みの器や道具を同時代の職人に作らせた。

月並みな言葉だが、とにかく趣味が良い。
中国の天目茶碗、室町時代の赤楽茶碗などの品の良い名器は言うに及ばず、蒔絵の名人原羊遊斎に作らせた道具類もゴテゴテしないすっきりしたデザインで美しかった。
書や絵も一流で、江戸時代の大名の文化的水準の高さもうかがえた。

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「菊蒔絵大棗」 原羊遊斎 作 文化14年(1817)
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「名作誕生-つながる日本美術」展 [美術]

東京国立博物館
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1889#

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名作と言われる作品はどれも突然生まれたのではなく、先行作があってその影響を受けて誕生したのだ、と言うコンセプトで様々な作品の系譜を見せてくれた展覧会。

例えば仏像。中国から伝来した仏像がまずあって、それに倣って作られた国産の仏像が次第に広がっていく。

例えば雪舟。自ら明に渡り彼の地の絵画を吸収。

例えば若冲。あの奇想の画家と呼ばれる若冲もいきなり若冲になったわけでなく、中国の宋元画を模写して学んだ。

美術作品同士の繋がり以外にも、源氏物語や伊勢物語から生まれた作品の数々。
また、江戸時代初期の風俗画から師宣の見返り美人への系譜。
北斎の風景画から岸田劉生へ、そして最後に中国の寒山拾得から劉生の麗子像へと言う思いがけない繋がりで締めくくる。

若冲と、等伯の松林図が目当てで行ったけど、第一室の仏像群に心奪われ、その後もどれも素晴らしい作品ばかりで、結局前後期両方見に行った。
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東西美人画の名作 《序の舞》への系譜 [美術]

東京藝大美術館
http://bijinga2018.jp/index.html
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松園の「序の舞」修復記念の展覧会。
古くは江戸初期の風俗画から、浮世絵の美人画、明治以降では東は鏑木清方ら、西は北野恒富、甲斐庄楠音らの美人画を並べ、最後に松園を数点。

松園の「序の舞」は個人的には松園でいちばん好きな絵というわけではない。今回も展示されていた「母子」なんかの方が柔らかくて好きだな、とは思う。
ともかく、いろんな美人画が見られてとても楽しかった。
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横山大観展 [美術]

このところ忙しかったり体調悪かったりで全然記事が書けず。
備忘録代わりに、行ったものだけコメント最小限でアップしていきます。m(_ _)m

東京国立近代美術館
http://taikan2018.exhn.jp/
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今年は大観生誕150年記念ということで、少し前に山種美術館でも展覧会があった。数年前には横浜で、そのまた前には国立新美術館で大規模な回顧展があって、割としょっちゅう大観は見ている気がする。

見るたびに言ってる気がするが、大観って捉えどころがない。アイコンとも言える富士の絵の他は、これぞ大観という特徴がつかめない。つまりそれくらいいろんな作品を描いてると言うこと。
今回目玉とされている「生々流転」と、「夜桜」「紅葉」にしても一方は水墨画、一方は豪華絢爛な彩色画と、全く違う。

「生々流転」の全巻展示は前にも見たが、物語を見るようで楽しい。「夜桜」と「紅葉」を同時に観られたのも嬉しかった。
富士の絵もたくさんあって見応えあったが、実はちょっと剽軽な感じさえする人物の絵が好き。「焚火」とか。


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百花繚乱列島展 [美術]

千葉市美術館

江戸諸国絵師めぐりと言うサブタイトル通り、江戸時代京や江戸以外の地方で活躍した絵師を取り上げた展覧会。当然ながら、大半が名前も知らない絵師だが、日本全国の文化水準の高さもうかがえる。

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菅井梅関 梅月図
梅関は仙台の画家。名の通り、梅の絵を得意とした。大胆で雄渾な幹に清楚な白梅が月夜に浮かぶ。香りが漂ってきそうだ。

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山本梅逸 花卉草虫図
梅逸は名古屋出身の画家で京で活躍。この華麗なこと。もっと名が知られても良いと思った。

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片山楊谷 猛虎図
楊谷は鳥取。因幡画壇などというものもあったらしい。

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増山雪斎「孔雀図」
雪斎は伊勢長島藩主。お殿様のお遊びなんてとんでもない、この本格的な腕前。
他に秋田藩主佐竹曙山の秋田蘭画も。
そういえば酒井抱一は大名家の出身で、その父母の絵も見たことあるがレベルは高かった。江戸時代の大名のたしなみの一環だったんだろうが、本格的。

もちろん、司馬江漢、谷文晁、酒井抱一、さらには応挙や中村芳中と言った有名画家の絵もあり、また画家同士の交流もキャプションにて説明があり、徒歩しか旅行手段がなかった時代にも、地方から京や江戸へ、また反対に地方に下る絵師もいたことがわかり驚いた。
そういえば、前記事の池大雅も京から東北まで旅をしていた。
展示替えが多く、一度しか行けなかったのが残念なほど見応えのある展覧会だった。


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