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通し狂言「遠山桜天保日記」 [舞台]

12月23日 国立劇場

遠山桜.JPG

今年の観劇納めは国立劇場へ。
例年お正月に菊五郎を中心にしてやっていた昔の狂言の復活上演、今回は年の暮れ12月に。年の瀬にふさわしい肩の凝らない作品に、と言うことでテレビなどでおなじみの「遠山の金さん」が取り上げられたとか。

菊五郎の遠山金四郎・牛田角太夫、時蔵のおわか・おもと、菊之助の小三郎、松緑の佐島天学、左團次の政五郎

明治26年の作と言うことだが、作者が「め組の喧嘩」と同じ竹柴其水と言うこともあってか、江戸の匂いのする狂言。
菊五郎が金さんと角太夫という善悪二役を演じ分けてさすがに魅せる。出番が多いのは角太夫の方で、冷酷無情で、ひとに罪をなすりつけたり、妻をも手に掛ける非道な男を憎々しく演じている一方で、按摩に化けて「タイ式マッサージ」をやって見せたり、「おけさ踊り」をやって見せたりと、笑わせる味付けも忘れないのが菊五郎らしい。
一転、金四郎としては、颯爽と粋な男ぶりで、最後のお白州のシーンではテレビでもおなじみの啖呵を切って見せ、まさに胸のすくような気持ちよさ。やってる方も気持ち良いだろうな。

菊之助が、身は持ち崩しても元は大店の若旦那という育ちの良さが抜けない、甘い雰囲気のある小悪党ぶり。全然悪人に見えないんだな~。角太夫らと仲間になったり、政五郎を脅したりするところでも、何かそういう振りをしてるように見えちゃう。最後は戻る役だから、これでも良いのかもしれないけど。政五郎のところで啖呵を切る場面では、弁天小僧菊之助のパロディっぽくて面白かった。

松緑の方は、終始一貫して極悪人。角太夫のように愛嬌を見せる場面もなく、ある意味いちばんダークな役だが、逃げずにしっかり憎らしくやっていて上々。

時蔵が母娘の二役で、娘のおわかではお似合いのしっとりと色気のある風情。一方母親のおもとでは珍しく老け作りで、みすぼらしい小汚い様子だが、夫のために散々苦労したあげくその夫に殺される哀れな役をきっちりと見せてさすがに上手い。

左團次が腹の据わった親分の風情が手に入った風で立派。
田之助が金四郎の用人の役だが、序幕しかでないのがもったいない。
亀蔵はいつもの三枚目の番頭でこちらも上手く笑わせる。
脇役だが、山番勝五郎の菊十郎が良い味を出していた。
その他、團蔵、権十郎ら菊五郎劇団の面々がそれぞれツボを押さえた役で、チームワークの良さを見せた。
また今回は、梅枝や亀三郎など若手も出番は少しずつでも良い役をもらって良いところを見せたのも収穫。

角太夫らが尾花屋に忍び込む場面では、下座で「ピンク・パンサーのテーマ」が流れるサービスも。でもあれで笑える人って、年代が上だよね(自分も含めて)、と別の意味で可笑しかった。
菊五郎劇団の見所である大立ち回りは期待したほどでもなかったが、復活狂言にありがちな筋の強引さはあまりなく、菊五郎の言うとおり、年の瀬に観るには肩の凝らない楽しい演目で、最後もすっきりした気分で劇場を後にすることができた。
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