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四月大歌舞伎・昼の部 [舞台]

歌舞伎座

昼の部は音羽屋中心。
幕開きは明治維新150年記念とやらの一幕。

s-1804歌舞伎座昼西郷.jpg
真山青果作「江戸城総攻」より
松竹芸文室 改訂
大場正昭 演出
一、西郷と勝(さいごうとかつ)
西郷隆盛   松緑
山岡鉄太郎  彦三郎
中村半次郎  坂東亀蔵
村田新八   松江
勝海舟    錦之助

西郷と勝の会談による江戸城無血開城にいたる場面。まあ、とにかく西郷の台詞が多い。全体の七割くらいは松緑西郷がしゃべってる感じ。
初日も見たが、初日から松緑はその長台詞をよくこなし、西郷の豪放な性格を見せると共に、楽日間近では台詞に心情を上手く乗せることができるようになっていた。「戦争ほど残酷なものはない」という台詞に悲痛な魂の叫びが聞こえ、胸を打つ。客席からも大きな拍手が来ていた。

錦之助の勝というのはちょっとお行儀良すぎる感じもあってイメージとは違うけど、私利私欲のない真っ直ぐな好漢ぶり。
彦三郎の山岡も熱血漢。いつもながら良い声。「将軍江戸を去る」の山岡も見てみたい。

s-1804歌舞伎座昼先代萩.jpg
通し狂言
梅照葉錦伊達織
二、裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)
下男小助/仁木弾正  菊五郎
乳人政岡       時蔵
細川勝元       錦之助
下女お竹/沖の井   孝太郎
倉橋弥十郎      松緑
荒獅子男之助     彦三郎
渡辺民部       坂東亀蔵
鶴千代        亀三郎
松島         吉弥
大場宗益       権十郎
横井角左衛門     齊入
栄御前        萬次郎
八汐         彌十郎
大場道益       團蔵
渡辺外記左衛門    東蔵

以前、十八代目勘三郎が小助、弾正、政岡をやったのを見たことがある。それ以来。菊五郎はさすがに政岡はやらず、小助と弾正のみ。それでも偉いと思うけど。
小助では、手慣れた世話物の小悪党の風情が上手い。はじめはいかにも気の利く下男といった様子が、一瞬でがらりと顔つきを変えて殺人も犯す。後半の裁きの場でも善人らしい様子から、証拠を突きつけられての開き直りぶりが鮮やか。
一方の弾正では、床下からの引っ込みが悠然として不気味。かなりゆっくり時間を掛けての引っ込みで間を持たせるのがさすがベテランの芸。
刃傷の場ではさすがに動きがキレキレとは行かないが凄味と殺気溢れる様子。

時蔵の政岡。ずっと見てみたいと思っていた。片外しの似合うのでは当代いちばんの女形だし。キャリアウーマンのようなキリッとした様子と、母としての情がほどよいブレンド具合。今回は飯炊きもない短縮版。次はぜひ竹の間からやってほしい。

彦三郎の男之助は見た目は細めだが声がよく出て大きく見えて立派。
孝太郎が健気な下女のおたけと、沖ノ井の二役。全く違う二役できっちり存在感を出した。

対決は伽羅先代萩だと弾正対勝元だが、裏では小助対弥十郞。
松緑がここでも弁舌爽やかに小助を追い詰める。いやしかし、西郷といい、松緑が台詞劇でこれだけやれるようになるなんて、、、。嬉しい。

團蔵がいかにも強欲で女好きなゲスなやつ。
彌十郎の八汐はちょっと憎々しさが足りない気も。

まあ、伽羅先代萩に比べるとさすがに話のこくがないというか薄い感じはしてしまうが、それにしても裏表とはいえ音羽屋の仁木弾正が見られるとは思ってなかったので感激。

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コメント 2

aqua

はじめてコメントさせていただきます。
4月の歌舞伎昼の部はぜひとも観たかったのですが、どうしても時間が取れず残念に思っていたところ、こちらのブログに巡り会えました。
紀尾井町のセリフ劇は今後に期待です。
仁左衛門さんは出される演目は限られてくるとは思いますが、まだまだ魅了させていただきたいものです。
by aqua (2018-04-30 10:50) 

mami

aquaさん、ご訪問ありがとうございます。
夜の部のにざ様一世一代に隠れがちな昼の部でしたが、こちらも見応えありました。松緑君が台詞劇で成果を見せられるようになるとは嬉しい驚きでした。これからも磨いていっていただきたいですね。
にざ様もまだまだ他のお役で輝き続けていただけることと思います。
by mami (2018-04-30 12:29) 

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